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日本にしかない!? 海外の人が驚く「日本のモノ・習慣」20選

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◆7. チップは失礼?

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 飲食店やタクシーでチップを渡さないのは日本の大きな特徴だ。料金にサービス分が含まれるという考え方が強く、追加の金銭で評価されることを好まない。見返りを求めず丁寧に応対する「おもてなし」の価値観も根底にある。欧米のように「心づけ」が半ば義務化している国と対照的で、渡そうとすると店員が追いかけて返すことさえあり旅行者には意外に映る。最近は訪日客の増加で、観光地の一部店舗がチップ箱を試す動きも出ている。

 海外ではシーンに応じてはチップを渡す必要があり、うっかり忘れると失礼にあたる。日本ではその逆で、チップを渡すことは失礼にあたると海外メディアで紹介されることもある。実際には私たちが気分を損ねることはないだろうが、ありがたく感じつつも戸惑ってしまうかもしれない。

◆8. 電車が正確

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 発車時刻が秒単位で守られる日本の鉄道は、世界でも際立つ存在だ。東海道新幹線の平均遅延は年あたり十数秒とされ、1分の遅れでも車内放送で丁寧に謝罪する。綿密なダイヤ設計や予防保守、列車種別の分離運行に加え、指差喚呼など現場の確認文化が支える。大都市圏でもホームでの整列乗車や素早い乗り降りといった利用者の協力が欠かせない。5分以上の遅れで遅延証明書を出す仕組みは、時間厳守を社会全体で共有する日本らしさを物語る。

 2017年に日本の鉄道会社が列車の20秒の早発で謝罪した際、遅れていないのに謝罪するのかと海外で驚かれた。ほか、新幹線が遅れると全国ニュースになる国も比較的珍しいようだ。

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Text by 切川鶴次郎