世界ソフトパワーランキング、日本上位に 上位20カ国
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世界各国の「魅力」や「信頼」は、軍事力や経済力とは異なるもう一つの国力=ソフトパワーとして測られる。英ブランド評価機関ブランド・ファイナンスが毎年発表する「グローバル・ソフトパワー指数」の2025年版では、従来の勢力図に変化が見られ、伝統的な強国に加えて新たな存在感を示す国々も浮かび上がった。文化、教育、外交、持続可能性といった多角的な評価軸に基づくランキングは、各国が世界でどう見られているかを映し出す鏡でもある。ここでは、その上位20カ国について特徴と強みを紹介する。
◆20位 サウジアラビア 55.6

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サウジアラビアは、資源大国としての影響力を背景にしながら、近年は石油依存からの脱却と国際的イメージ刷新に力を注いでいる。ビジョン2030の下で観光、文化、スポーツへの投資を積極的に進め、特に大型スポーツイベントや音楽フェスの誘致によって「開かれた国」としての印象を強めつつある。
また、宗教の中心地メッカを抱える点は、イスラム世界全体に対する精神的リーダーシップを支える重要な要素だ。一方で、人権や表現の自由を巡る批判も依然として存在し、ソフトパワーの持続的拡大には課題が残る。それでも経済多角化政策と文化外交を組み合わせることで、国際的評価を着実に高めているのが特徴だ。
◆19位 ベルギー 56.0

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ベルギーは欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の本部を擁する国際政治の要衝として、外交・国際関係の分野で大きなソフトパワーを発揮している。また、中世都市ブルージュやブリュッセルの歴史的街並み、ビールやチョコレートといった食文化、さらには世界的に評価されるアートやデザインなど、文化的魅力も豊富だ。
多言語国家としてフランス語、オランダ語、ドイツ語を公用語に持つ点は、多様性と寛容さの象徴であり、国際社会における「架け橋」としての役割を強調している。さらに交通の要衝でもあり、欧州全域との結びつきを強める地政学的優位性を背景に、ビジネスと外交の双方で存在感を高めている。こうした要素が総合的に評価され、ソフトパワーランキング上位国の一角を占めている。




