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世界で最も力強い鳥トップ10 脅威の持ち上げ力と狩猟能力

Vinicius R. Souza / Shutterstock.com

世界には驚異的な力を秘めた鳥たちがいる。動物情報サイト『A-Zアニマルズ』が発表した「最も力強い鳥」ランキングでは、ただ単にどれだけ重い獲物を持ち上げられるかだけでなく、その狩猟技術や生態的特徴、環境への適応力といった要素も含めて評価されている。大型のワシやフクロウ、北極圏のハヤブサまで、多彩な猛禽類が顔をそろえたこのトップ10は、意外な順位や知られざる生態の数々も見どころだ。空の覇者たちが誇る驚きのパワーと、その裏にある生き残りの戦略を探ってみよう。

◆10位 アカオノスリ

Vlad G / Shutterstock.com

アカオノスリ(学名:Buteo jamaicensis)は、北アメリカを中心に広く分布する中型のタカで、最も観察されやすい猛禽類のひとつとして知られている。体長は約45〜65センチ、翼を広げると1.1〜1.4メートルに達し、雌は雄よりやや大きい。

名前の由来となった赤褐色の尾羽が特徴で、個体によって体色の濃淡や斑の入り方に変化が見られる。森林、草原、農地、市街地周辺など幅広い環境に適応し、道路沿いや電柱、木の枝など高い場所にとまって獲物を探す姿がよく見られる。主な食性はネズミやウサギなどの小型哺乳類で、ヘビやカエル、鳥類を捕食することもある。

Richard Seeley / Shutterstock.com

A-Zアニマルズのランキングでは、アカオノスリは「最も力強い鳥」の第10位に選ばれている。同サイトによれば持ち上げ能力は約5ポンド(約2.3キログラム)で、平均体重(1〜1.5キログラム)の約2倍の獲物を運べるとされる。

急降下して獲物を捕らえるスピードと精度に優れ、特に開けた環境での狩りに適している。大型のワシ類に比べれば絶対的なパワーは劣るが、その機動力と適応力の高さは北米を代表する猛禽として評価されている。

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Text by 切川鶴次郎