プーさん、実在した!? 100年前の誕生秘話が海外で話題 故郷カナダではイベントも
黄色いクマでおなじみのプーさんは今年、なんと100年の歴史を迎える。いまやディズニーのイメージが強いキャラクターだが、実はミッキーマウス(今年86歳)よりも先輩なのだ。
もっとも、この話がディズニー以前から存在する物語であったことはご存知の方も多いだろう。A・A・ミルン原作の「Winnie-the Pooh(邦題:クマのプーさん)」は、イギリスの児童文学として有名である。しかしそのプーさんに、モデルとなった実在の小熊がいたこと、しかもそれが、カナダの熊であったことは、あまり知られていないのではないだろうか。
【歴史の始まり】
カナダ公共放送のCBCニュースによると、クマのプーさんのモデルとなった小熊は、遡ることちょうど100年前の1914年、第一次大戦中にカナダの軍獣医、ハリー・コルバーン中尉が、親のいない雌の黒い小熊を20ドルで購入したことから始まるという。中尉は、故郷のウィニペグにちなんでこの小熊を「ウィニー」と名付けたそうだ。
その後1919年に、ウィニーはロンドン動物園に寄贈された。それを見たミルンの息子、クリストファー・ロビンが自分のぬいぐるみのクマを「ウィニー」と名付けたのが「Winnie-the Pooh」のきっかけとなったのだ。
【今、知られざる歴史に脚光が】
記念すべき100年を迎える今年、これまであまり知られていなかった「プーさんの本当の歴史」に注目する動きが起きている。カナダの民放テレビ局「CTV」によると、トロントのライアソン大学では今秋、コルバーン中尉の写真や書簡、日記などを展示する「Remembering the Real Winnie」というイベントが開催されるそうだ。
今回展示される資料の所有者であり、コルバーン中尉の曾孫でもあるリンジー・マティック氏は「”ウィニー”という名前は誰もが知っているけど、その起源はほとんど誰も知らない。実はこんな背景があったことを知るのは、ちょっとした驚きでしょう」と語っている。
マティック氏によると、当時の動物園は人と動物とのふれあいが許されており、クリストファー・ロビンも檻の中に入ってウィニーと遊ぶことができたのだという。クリストファー・ロビンがウィニーのことをあまりにも気に入ったため、ついには父のミルンが息子とウィニーのお話を創作したのが、世界中で愛され続ける物語の始まりとなった。
【世紀を超え続く人気】
100年の時を経てなお、プーさんの人気は衰えを知らない。日本では、伝統と融合したこんな愛らしい焼き物も生まれた。
それが「波佐見焼のプー」だ。愛らしいプーさん、クリストファー・ロビンと仲間のピグレット、ティガー、イーヨーが伝統的な青い染付で描かれた和食器だ。
波佐見は江戸時代から続く磁器の名産地であるにも関わらず、有田など有名所が近隣に多くあったため、知名度はいまいちであった。そこを敢えて逆手にとり、伝統を守りつつも斬新なデザインを積極的に取り入れることで焼物に新しい風を吹き込み、今や大人気となった。
もともと庶民の暮らしを支える器として誕生した波佐見焼は、いまもなお日常使いに適した品を生み出し続けている。伝統美と機能美の両方を備えた波佐見焼は、海外でも人気がある。過去にも、重ねて収納できるティーセットなどが、インテリア情報サイト『REMODELISTA』や『bltd』で紹介されている。
波佐見焼は新進気鋭のデザイナー達と多くコラボレーションしていることでも有名だ。「波佐見焼のプー」は、Y2の有井ユカ氏が図柄を担当した。和にも洋にもなぜかしっくりくるそのデザインは一見の価値ありだ。
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