移籍のイチロー、控えは妥当? “もったいない”、“代打大丈夫?”…米メディア論評

 イチロー選手のマーリンズ入団記者会見が、東京都内で行われた。マーリンズはこの会見のために、サムソン球団社長、ジェニングズGMら球団幹部がそろって来日した。米国のスポーツ誌もイチローの記者会見に注目、大きく報道している。

◆素晴らしいチームメイトか、それとも利己主義者か
 イチロー選手はこれまで、オールスターに10回出場、「ベスト・ヒッター」「ベスト・バンター」「ベスト・ベースランナー」「最速ベースランナー」「守備部門ベスト外野手」など数々の賞を受賞している。しかし、専門家の現在のイチロー選手への見方は分かれる。米国のスポーツ総合誌・ESPNは、ある球団関係者の「イチローはケガをしない。体のケアに特別気を使い、走力は衰えていない、野球センスはずば抜けている」という高い評価を紹介しながらも、一方でマリナーズ時代を振り返り、シアトルでは「利己主義者」と酷評されたことも付け加えている。

 NBCスポーツは「イチロー選手はこれまでは先発としての出場が多く、ピンチヒッターの数は少ない。昨年は打率.286、長打はなし」として、マーリンズでの外野手の4番手としての活躍に疑問を投げかけている。

 一方、FOXスポーツは、「イチローが加わることで、マーリンズの外野手のローテーションに厚みが出た。イチローは将来の野球殿堂入りが確実な選手だ」と好意的だ。そしてマ-リンズ首脳陣の「イチローをいろいろな場面で起用する。彼に目を光らせ、できるだけ多くの打席を与える」との声を紹介している。

◆マーリンズの熱い思いにこたえられるか
 イチロー選手の記録は3000本安打という偉業達成まであと156本に迫っている。2015年のイチロー選手の活躍に海外メディアも注目しているようだ。

 ESPNはマーリンズがイチロー選手を外野手の4番手として起用する意向について、「ローリングストーンズのボーカル、ミック・ジャガーをタンバリン奏者かバックのボーカリストとして使うようなものだ」としながらも、今年の活躍については、「イチロー選手がこれまでの主役級の人気に見切りをつけ、マーリンズの選手にうまく溶け込めるかがカギ」と、冷静に見極める必要があるとの評価である。

 その一方で、マーリンズのデイビッド・サムソン球団社長は、「最も大切なのは、イチローの存在そのもの、野球殿堂入りも確実視されている、日本人プレーヤーである。イチローの入団で勝つ機会が増え、10月のワールドシリーズも夢ではなくなるだろう」と評価(FOXスポーツ)しており、やはりイチロー選手の存在は他の選手とは比較にならないようである。

◆ファンの声
 記事にコメントを寄せた野球ファンはイチロー選手の移籍をどう見ているのか。

・僕はずっとマーリンズのファンだけど、イチローが利己主義だとシアトルで思われているなんて、聞いたことがないね。彼はフロリダでも愛されているよ。

・イチローはシアトルでも愛されているよ。ニューヨークより100倍愛されている。

・イチローは2010年から成績も下がっているし、もう素晴らしいバッターとは言えないんじゃないか。今年は4番手の外野手でちょうどいいよ。

・もし今年、イチローが2割5分以上打ったら、驚きだね。

Text by NewSphere 編集部