“前田健太にやられた…”“将来のスターだ” 日米野球の好投に米メディア興奮 移籍への期待も

 12日夜、大阪の京セラドームで、侍ジャパン対メジャーリーグ(MLB)オールスターの、日米野球が始まった。全5試合の第1試合目だ。結果は、2-0で日本が勝利。各米メディアは勝ちに貢献したのは、広島カープの前田健太投手だ、と同選手に大きな関心を寄せている。

◆「前田にはやられた」
 この天才的日本人選手にとって、MLBオールスターは全く相手にならなかった、とニューヨーク・ポスト紙は報じた。前田投手は、2つのヒットと2回のフォアボールを出したが、5回を無失点に抑え、投球制限の80球に9球残して降板した。

 前田投手も「登板で良い結果が出せて嬉しい。特にこれから続く連戦の第1試合目だったしね」と語り、自身も納得のいく結果だったようだ。「1回で、考えていたよりも少し多く投げなければいけなかったけど、その後は自分のリズムを掴んだ」(ニューヨーク・ポスト紙)

 MLBチームのジョン・ファレル監督は、「日本は、今夜の試合でとても良いピッチングをした」「この試合で、(MLBチームは)数人の(日本人)投手相手にチャンスを作ったが、ただ前田投手にだけは本当にやられたよ。ストライクを取りに行く球の配球もうまかった」(ニューヨーク・ポスト紙)と称賛している。

◆米メディアはメジャー移籍に期待
 広島カープで7シーズンを経験した前田投手は、メジャーリーグでの活躍も間近だろう、と報じているのは、MLBの公式サイトだ。前田投手は、広島カープが彼を大リーグに送り出す決心をすれば、メジャーリーグで2番もしくは3番目に強力な先発投手になるだろうと多くの人が考えているが、その通りであることを証明した、と報じている。

 また、右投げで余裕ある投球フォームから、時速90マイル中ほど(約150キロ前後)の速球と70マイル前半(約110キロ前後)のカーブが放たれると紹介し、MLBのバッターは調子を合わせることができないだろう、とも評価した。

 ロイヤルズのアルシデス・エスコバー選手は、前田について、「球を様々に組み合わせて投げる」「スローなカーブ、スライダー、チェンジアップ、カーブ。本当に良い投球をする。メジャーリーグでも通用する。素晴らしい才能を持った選手だ」(MLB)と述べた。

◆「前田のショーが始まる」
 しかしながら、前田選手は、今年の冬にMLB移籍のためのポスティングを行うか決めていないようだ。

 期限の2月1日までに、広島は決断すべきだ、とMLBは急かしている。過去5年間で平均200以上のイニングを投げ、防御率が2.18である。26歳のこの選手にほとんどのメジャー球団が興味を示すだろう、と激しい争奪戦を予想している。

 米スポーツサイト『ブリーチャー・レポート』は、12日の試合で、前田投手が将来のスターであることを証明した、と報じている。試合前には、野球ライターのピーター・ガモン氏が、ツイッターに「今週の米オールスターとの対戦を皮切りに前田健太のショーが始まる」と投稿。第一戦の結果で、前田投手に注がれる注目はさらに高まるだろう。

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Text by NewSphere 編集部