“キティはデザイナーの夢、ディズニーではこうはいかない”柔軟さに海外から賞賛
サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」が、11月1日で「誕生」から40周年を迎えた。いまや世界的人気を誇るキティについて、海外メディアが様々な角度から報じている。
◆盛況のハローキティ・コンベンション
10月30日から11月2日にかけて、ロサンゼルス現代美術館でハローキティのイベントが開催された。サンリオによると「世界初の公式ハローキティ・コンベンション」(キティコン)である。イベント初日には、太陽が照りつける中、10時までに何ブロックかに及ぶ行列ができたとガーディアン紙は報じる。
同紙によると、イベントには、2009年にレディー・ガガ(キティ信奉者のひとり)が着用した「キティのぬいぐるみでできたドレス」などが展示された。
キティに「口がなく常に無表情」なことについて一部から批判もあるが、その点こそキティが「デザイナーの夢」になる理由だ、とキティコン出品者のKevin Krieser氏は語っている(ガーディアン紙)。「完全にフレキシブルで、何を被せてもサマになる。ディズニーではこうはいかない」と語ったそうだ。
◆「大人向け」となっても「カワイイ」ハローキティ
ガーディアン紙によると、学校のある平日とはいえ、上記イベントを訪れたファンの中には小さな子供の姿はほとんどなく、また男性の姿もちらほらと混じっていたそうだ。
テレグラフ紙は、キティは(読者が思っているよりも)「大人である」と強調する。2011年にはハイエンドのキティ・ファッションシリーズが展開され、ミラノ・コレクションにも登場している。また、プレイボーイ誌のロゴのバニー・ガールとコラボしたカメラといったように、「大人向け」の商品展開がされている。
ハローキティの世界的な広がりについて研究する人類学者のヤノ博士は、「ハローキティは大人に遊びの許可、人生の他の部分では(見せることを)許されない自己の一部を表現する許可を与える」と言う。この言葉を引用したテレグラフ紙も「ファンを常に若い気持ちにさせてくれる」と報じている。
◆新しい展開はアジアで
日本でも「仕事を選ばない」と言われているキティだが、世界的にも幅広く活躍している。テレグラフ紙が挙げるところでは、例えば、キティのフィギュアが人工衛星で地球を周回しており、北京にはハローキティをテーマとしたレストランがあり、またヘレナ・クリステンセンのデザインしたTシャツではスーパーモデルにもなっている。
しかし、向かうところ敵なし、という訳にもいかないようだ。アメリカではディズニーの「アナと雪の女王」の大ヒットにより、ハローキティ製品の売上が伸び悩んでいるとブルームバーグ・ビジネスウィーク誌は報じている。
同誌によるとサンリオは中国・アジアでの事業拡大を計画しているようだ。既に北京にはハローキティをテーマにしたレストランがあり、台湾には「ベイビー・キティ」と称して新生児をキティの世界へと迎える病院があるとテレグラフ紙は伝える。この病院の理事はキティファンで、「お産で苦しむ母親や病気で苦しむ子供たちが、治療の間にキティを見て微笑んで、不調を忘れ、より早く回復することを願う」と話している。