初音ミクのNYライブ、米メディア賞賛 “未来の音楽”“言葉を超えた情感”…
人気ボーカロイド初音ミクのスペシャルライブ『HATSUNE MIKU EXPO 2014』が、11-12日はロスアンゼルス、17-18日はニューヨークで行われた。
また、初音ミクは10日、アメリカの人気トーク番組『レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン』に出演した。
◆米老舗番組に出演
32年以上続く深夜番組にミクが登場すると、司会者のデイヴィッド・レターマンは珍しく言葉を失った、とニューヨーク・タイムズ紙は表現。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、初音ミクの同番組出演に対するツイッター上の反響を取り上げた。「なるほどな。日本の音楽番組よりも手厚く演出してもらったんだな。エンタメとしてやはりあちらは凄い」「何で初音ミクがレターマンのレイトショーに出れるんだよ。(笑)アメリカ大丈夫か」
彼女はこれまで、日本国内で1万人を前に歌った。いまや世界的な現象を引き起こしている、とニューヨーク・タイムズ紙は紹介している。今年初めジャカルタで開催されたミク展では、多くのファンが押し寄せた。またレディー・ガガも大ファンだそうで、今年自身のワールドツアー「ArtRave: The ARTPOP Ball」で、初音ミクをステージに呼んだことを伝えている。
◆人気歌手初音ミク
ニューヨーク・タイムズ紙は、ユーザーは今まで、10万曲の歌を発表。YouTubeには、17万回以上動画が投稿された、と紹介する。多くは無料で製作されたものだが、商業目的であれば、クリプトンに支払いをしなければならない。伊藤博之代表取締役は、「もしあなたが初音ミクを使って作品を作れば、それは当社の財産だ」(ニューヨーク・タイムズ紙)と話している。
◆彼女はファンのこころの中に
17日にはニューヨークのマンハッタン・センター ハマースタイン・ボールルームでライブが開催された。
「照明が落とされ、観客はざわめき始めた。スポットライトが舞台に当てられ、バンドの演奏が始まる。と、一瞬で彼女は現れた。初音ミクだ」と米ニュースサイト『HNGN』は興奮気味にライブの様子を伝えている。
彼女のショーは通常のものとは違う。「アニメのキャラが本物の歌手のように動くよう作られているだけだな」と思うのもわかる、と同メディアは理解している。しかし、ニューヨークのマンハッタン・センターで起きたことは、ミクの存在とそのパフォーマンスが、喜びと興奮を生むものだということを証明しているという。
多くの歌は日本語で歌われるため、日本語がわからないとそっぽを向く人も多いだろう。しかし機会があれば、内容が全部わからなくても、そこに流れる情感は理解できることに気づくと思う、と熱く語っている。
ファンとの交流もあった。時々ミクは歌うのをやめ、一緒に歌おうと促したり、特定のファンに視線を送り、再びアメリカでライブができたことや応援してくれることが嬉しいと話しかけたりしたという。
同メディアは、初音ミクは実際には存在しないが、多くのファンの心の中では現実のものだ、としている。また、初音ミクの名前のとおり、音楽の将来のシンボルになる可能性がある、と記事を結んでいる。
ニューヨーク・タイムズ紙は、新しいスタイルの音楽として、初音ミクはその代表として挙げないわけにはいかない、と報じた。機械で作られた音楽ではあるが、彼女は人の心を掴んでいる。同紙は、ミク自身の、もっと正確に言えば、ボーカロイドのヒット曲『pachaged』を書いたプロデューサーkzの次の歌詞を引用している。“It’s reaching you, right? It’s echoing, isn’t it?”(届いているかな 響いているかな)
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