宮崎駿監督、アカデミー名誉賞受賞 “あらゆる賞に値する”海外ファンも祝福
アメリカ映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞を選考する映画芸術科学アカデミーは、世界でも評価の高いアニメーション作品を制作した宮崎駿監督にアカデミー名誉賞を授与すると発表した。日本人がアカデミー名誉賞を受賞するのは1990年の黒澤明監督以来2人目となる。
【宮崎駿監督の功績と受賞の感想】
ハリウッド・リポーター誌では宮崎駿監督のことを「創造性に富んだ映画を製作、自然への畏敬の念にあふれたファンタジーの世界を世に送り出し、3度アカデミー賞にノミネートされた。2002年に「千と千尋の神隠し」でアカデミー賞長編アニメ賞を受賞。2006年「ハウルの動く城」、2013年「風立ちぬ」でノミネート。アニメーション映画の世界では多くの尊敬を集める。スタジオジブリの創始者」と紹介している。
今回の受賞について宮崎監督自身は「リタイアした人間に賞なんかいらないのにと本当は思っています。でも光栄です。名誉なことだと思います」というコメントを出した。
【アカデミー名誉賞とは】
アカデミー名誉賞についてウォールストリート・ジャーナル紙は「前年の作品に対してではなく、生涯の功績に対し授与されるもの」と説明を加えている。今回受賞が決定したのは宮崎監督のほかにフランスの小説家で脚本家ジャンクロード・カリエールさんとアイルランド出身の女優モーリン・オハラさんである。
ジャンクロード・カリエールさんは大学在学中に作家を志し、ジャック・タチ監督の作品、『ぼくの伯父さんの休暇』などを執筆。1963年には、ルイス・ブニュエル監督と出会いブニュエルの後期傑作群『昼顔』、『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』、『欲望のあいまいな対象』などの脚本を手がけた。モーリン・オハラさんはジョン・フォード監督作品やジョン・ウェインの西部劇に多く出演した。
【読者からの反響】
大手ソーシャルニュースサイト「レディット」に掲載された読者からのコメントを紹介する。
・アカデミー賞がアニメ部門をもっと重視していたら、宮崎監督は今頃数え切れないほどのアカデミー賞を受賞していただろうね。
・宮崎監督はアカデミー賞も、お金も、名声も気にならないんだよ。彼はアニメにいい意味で狂っているからね。アニメに情熱を注いでいるんだ。
・宮崎監督は「賞」と名の付くものならすべてに値するよ。
・宮崎監督のすぐれた作品は、アカデミー賞にアニメ賞ができる前のものなんだ。もっと早くこの賞ができていれば、初期の作品で受賞していたのに。「千と千尋の神隠し」が受賞したのなら、「もののけ姫」は間違いなく受賞していたよ。
・もののけ姫はいかしてるぜ
・手塚治虫も受賞に値するんじゃないか。
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