ポケモンカードがiPadアプリに! 任天堂はスマホ展開に乗り出すのか? 海外ファン注目

 18日、任天堂がポケモンカードゲームをiPadに提供するとの報道を受けて、同社の株価が一時、3月以来の上昇率の6.9%となった。午前の取引を終えた時点で、前週末終値比6.4%高の1万2015円となった。

【ポケモンカードゲームiPadアプリ】
 ポケモンカードゲームのiPadアプリは、同ゲームのPC版と同じバージョンである、とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は報道している。同アプリは、先週末にワシントンDCで開催されたポケモン・ワールド・チャンピオンシップにおいて公開された。

 ポケモンiPadアプリは、iPhoneやアンドロイド端末などのスマホには提供されない。スマホでゲームをする人が増えているにもかかわらず、任天堂は自社ゲームのスマホ展開に対して慎重である。

【アプリストアのゲームは大衆向け】
「ハースストーン」や「マジック:ザ・ギャザリング」のようなトレーディングカードゲームはすでにアプリ市場に登場している。iPadはカードゲーム大戦に最適な媒体と言われているが、意外なことに、「ハースストーン」等のゲームはそれほど成功していない。平均的なアプリ市場の客は複雑なゲームを嫌う傾向があり、簡単なゲームほど人気、とフォーブス誌は指摘している。

 比較的覚えやすく、平均的なゲーマーが対象である「ハースストーン」よりも、ポケモンは複雑なゲームである。アプリ市場のゲームの質が上がらない限り、成功は難しいかもしれない。

【任天堂はスマホ展開するか】
 ポケモンカードゲームiPad版を皮切りに、任天堂は自社ゲームをスマホ展開するのだろうか。

 任天堂のゲーム端末は歴史上最高の売り上げを記録しており、3DSは現在歴代売上12位のゲーム機である。任天堂は、スマホやタブレットに自社のゲームを提供することにより、この成功を損なおうとはしない、とフォーブス誌は指摘している。

【主要なポケモンゲームは手放さない】
 ポケモンカードゲームのiPadデビューには海外ユーザーからも大きな反響があった。『IGN』には、「もし報道が本当なら、iPadを買う」などのファンからの歓迎の声が寄せられた。一方で、主要なポケモンシリーズがアプリに登場することはないだろうとの予測も多くあった。

・ポケモンカードゲームPC版は何年も前からあって、3DS版と共存していた。だからタブレット版は自然な流れだ。
・ポケモンのすべてのシリーズをタブレットやスマホにリリースするわけではない。
・任天堂は重要なシリーズをライバルのプラットフォームに移すことは絶対にしない。

 任天堂は引き続き、スマホには距離を置くだろう。任天堂は良いゲームのためには金を惜しまず、専用ゲーム機を持ちあるくのもいとわない人達のために、素晴らしいゲームを作り続ける、とフォーブス誌は予測している。また、「タブレット版のゲームがどんなのか試してみたかったら、この新しいポケモンのゲームはぴったりだ。筆者も絶対試すつもりだ」として記事を結んでいる。

Text by NewSphere 編集部