Jホラー『オーディション』、英誌の最恐映画ランク1位 日本より海外で評価が高い?その魅力とは
イギリスの映画情報誌『トータル・フィルム』が3日、「最も恐ろしい90年代ホラー映画25」ランキングを発表した。1位に三池崇史監督の『AUDITION オーディション』(2000年)、2位に中田秀夫監督の『リング』(1998年)と邦画が上位を独占した。
3位に『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』、4位『ロスト・ハイウェイ』、5位『セブン』と続き、10位に塚本晋也監督の『ヒルコ妖怪ハンター』が選ばれている。他方、ランクインした映画監督を作品本数から見てみると、唯一ウェス・クレイブン監督が、『スクリーム』、『壁の中に誰かがいる』、『エルム街の悪夢 ザ・リアルナイトメア』と3本もランクインしている。
1位に輝いた『AUDITION』は、村上龍氏のサイコ・ホラー小説『オーディション』(1997年)を映画化した作品。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)や英ガーディアン紙は、『AUDITION』やそのリメイク版に関して大きく取り上げている。
【途中退席者続出、卒倒も、話題となった『AUDITION 』】
数々の映画祭で上映され話題となった『オーディション』。中でも、2000年の第29回ロッテルダム国際映画祭の上映では、史上最多の途中退席者を出し、スイスで開催されたプレミア試写会では、視聴者の一人が卒倒し、緊急治療室にて経過観察を要した、とWSJは伝えている。
しかしながら、日本ではあまり目立った評価は見られなかったようだ。日本映画製作者連盟によると、2000年度の興行成績ランキングでは『ポケモン』や『ドラえもん』、『名探偵コナン』などのアニメが上位を占める一方で、『AUDITION』はランク外だった。『リング』は1998年の9位にランクインしている。
また、『AUDITION』はタイムズ誌のホラー映画ベスト25本で15位に選ばれている唯一の邦画だ。登場人物の感情がリアルに伝わってくると評価されている。
【リメイク版『AUDITION』が今年秋にも撮影予定?】
映画・エンターテイメント情報サイト『デッドライン』によると、『AUDITON』がハリウッドでリメイクされることが明らかになった。
プロデューサーは『ターミネーター』シリーズや『ランボー』シリーズ、『氷の微笑』などを手掛けたマリオ・カサール氏。監督には『THE LOOP ザ・ループ』のリチャード・グレイ氏がメガホンをとる。カサール氏によると、リメイク版は三池監督による映画版を参考するのではなく、原作小説をベースにするという。
原作小説『オーディション』は2009年に英語版が出版されている。ヘロイン中毒者の生態を生々しく描いた『トレインスポッティング』の原作者アーヴィン・ウェルシュ氏は、『オーディション』は幻覚を起こさせるようなセックスや暴力から展開される「甘美な世界」が広がり、心の底からゾッとするようなクライマックスはあまりにショッキングで、読者の心を鷲づかみにする、と英ガーディアン紙の同作のレビューで述べている。