日本で苦戦のPS4、『アナと雪の女王』バージョンが挽回のカギ? 米誌が皮肉

 ソニー(SCE)のPS4は世界で700万台を販売し、PS2のペースを凌ぐ成功ぶりを示している一方、本国日本では苦戦が続いている。2月の発売以来の累計販売台数は62万台に留まっており、この数週間はWii Uを下回っており、旧型機PS3をわずかに上回る程度だ。

 このような現状について、英ゲーム情報サイト『Eurogamer』が、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のアンドリュー・ハウス社長らにインタビューを行っている。

【ゲーム会社を説得できなかった】
 アンドリュー・ハウス社長は、日本でのPS4不振の理由について、「理由はともあれ、我々がPS4を売り込んでいる時、日本のゲーム販売会社や開発会社をなかなか説得することができなかった。PS3の居心地が良いことも関係しているだろう」と述べている。

 『Eurogamer』によると、先週の日本でのPS4向けベストセラーソフトは『ウォッチドッグ』で6万5000本売れた。だが、『仮面ライダー バトライド・ウォーII』のようなPS3向けソフトも6万本売れており、『ウォッチドッグ』のPS3バージョンも4万本弱売れているという。

 フォーブス誌は、これに関し、日本のゲーム販売会社や開発会社はPS4向けゲームの開発に飛び付かず、年来開発に取組み、十分マーケットの試練にも耐えてきたPS3向けのゲーム開発を安穏として続けている、と指摘している。

【モバイルゲーム好きの日本ユーザー】
 吉田修平SCEワールドワイド・スタジオ代表取締役会長は、「日本は欧米と全く違って携帯型ゲーム機偏重だ。もちろんPS4発表に対して、幸いにもパブリッシャーは興味を示した。だが、欧米とは取り組みの度合いが違う」と述べている。

 フォーブス誌は、どこにもまして日本のゲーマーは、スマホ、タブレット、任天堂の3DSといったモバイル型に取り憑かれている。据え置き型ゲーム機用ソフトは新規参入が難しい、と指摘している。

【ストリーミングメディアに興味のない日本ユーザー】
 また、ハウス社長は、「日本市場に目をやると、様々な理由から、ストリーミング・サービスの立役者となる存在がまだ現れていない。真新しいサービスの台頭を許さない映画やテレビのコンテンツ・ホルダーが元々保守的だという点も要因だろうと思う」と述べている。

 フォーブス誌は、ハウス社長の発言を受けて、世界は今、ストリーミングメディアに夢中だが、日本はNetflixやAmazonによる同サービスに熱狂していない。PS4でストリーミングメディアを鑑賞しようという第2の購買動機が日本には無い、と指摘している。

【アナ雪バージョンがPS4を救う?】
 以上のような理由からフォーブス誌は、日本でのPS4へのシフトは欧米に比べて遅くなるが、少しずつ進んでいくだろうと結論付けている。記事の最後で同誌は「だが何にもまして、日本独自のPS4アナ雪バージョンが流れを変えるのではないか」と、結んでいる。

 ディズニーの大ヒット映画『アナと雪の女王』の登場キャラクターをあしらったPS4が、日本限定で、7月16日に4万2980円(税抜き)で発売予定だ。

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Text by NewSphere 編集部