マーティ・フリードマン、“J-POPは多様でエキサイティング!” 海外掲示板で愛を語る

 ヘビーメタルバンド「メガデス」の元ギタリストであり、日本在住のマーティ・フリードマンさん。5月にアルバム『インフェルノ』を世界発売し、海外メディアに登場する機会が増えているようだ。8日には、大手ソーシャルニュースサイト「レディット」の人気コーナー“○○だけど何でも質問して”に登場した。

【日本を拠点として活動するフリードマンさん】
 マーティ・フリードマンさんは、1990年代にメガデスのギタリストとして活躍した。その後、2004年に日本に移住し、日本を活動の拠点としてすでに10年以上となる。国内では、オリジナルアルバム、邦楽カバーアルバムを発表するほか、「ももいろクローバーZ」など他アーティストの楽曲への参加、テレビ出演、雑誌連載など、さまざまに活躍する姿を目にする機会は多い。

 一方、海外ファンにとっては、メガデス時代の印象が強く、“浦島太郎”状態になっていることも多いようだ。レディットに多数寄せられた質問でも、「なぜメガデスを脱退するに至ったのか」、「なぜ日本を選んだのか」という2点に、多くの関心が集まっていた。

【日本移住の決め手は、日本の音楽】
 レディットのユーザーの、「どうして日本に移住する気になったの」という質問に対して、フリードマンさんは「音楽」と即答している。「アメリカには見つからない、日本の一番良いところは?」という質問に対しても、「なんといっても一番は音楽だね。そして、ここで手に入る音楽のバラエティーの広さ」と答えている。

 フリードマンさんが、J-POP(を含む邦楽)を非常に高く評価していることは、さまざまな形で現れている。これまでに邦楽カバーアルバム『TOKYO JUKEBOX』を2枚リリースしているが、その選曲はPerfumeから八代亜紀に至るまで、多様極まりないものだ。J-POPの魅力の核心については、こう語っている。

――多くのミュージシャンが、日本文化に魅了されているように思われます。日本の音楽にあるもので、西欧が最も見過ごしているものは何だとお考えですか。

楽しさのある音楽だね。

【ヘビーメタルに比べて、J-POPは「ハッピー」?】
 米ラジオネットワーク「NPR」(ナショナル・パブリック・ラジオ)に対しても、フリードマンさんは、J-POPの魅力は「こちらがまごつくぐらいハッピーなこと」と語っている。さらに、J-POPには複雑さが隠れていることも、引きつけられるようになった理由だと語っている。

「ただ難しいものが聴きたいのだったら、ジャズを聴けばいい」。
「でも、それをしながら、誰にとっても心地よい音楽にすること――それこそ挑戦だ。J-POPについて、自分がとても気に入っているところはそこだ」。

 フリードマンさんによると、最も良質のJ-POP曲は、コードの選択、楽曲構成、転調の点で、メガデスのヒット曲よりもはるかに斬新だという。メガデスのメンバーだった頃には、自分がやっている音楽よりも、自分が聴いている音楽、J-POPのほうが、はるかにエキサイティングだと感じていたらしい。

 日本のミュージシャンに関する質問には、下記のように答えている。

――過小評価されている、あるいはあまり知られていないバンドやジャンルで、お勧めのものは?
マキシマム ザ ホルモン。

――これから先・将来、コラボしてみたいミュージシャンは?
YOSHIKI、つんく、ヒャダイン、デヴィン・タウンゼンド、多すぎて名前を書ききれない。

【メガデス脱退の理由とは?】
 レディットのあるユーザーには、メガデスを脱退し、ヘビーメタルから一時離れた理由を単刀直入に問われている。

――単にあなたの音楽の好みが変わっただけなのか、それともメガデスにいる間も実はメタルにそれほど興味がなくて、とうとうそうれにうんざりしてやめたのか。

メガデスでメタルを演奏することはとても好きだったよ。でも、10年間やってみて、いまの自分よりも、メガデスでプレイすることを楽しむ人が他にいるだろうと思ったんだ。当時、メガデスが目指していることをするのに、マーティ・フリードマンという人間が必要なわけじゃなかった。(…)自分はいまでもメガデスの大大大ファンだよ。

 フリードマンさんは、自分の個性をより発揮できる場所として、日本、そして日本の音楽という舞台を選んだのだろう。

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Text by NewSphere 編集部