サッカー日本代表 前回大会の堅実な「アンドロイド・フットボール」から大変身 攻撃的姿勢を海外紙評価
サッカー・ワールドカップ・ブラジル大会も開催間近。日本代表は8日にブラジルに到着し、ベースキャンプを置くサンパウロ州イトゥで練習を開始した。前回大会で決勝トーナメント進出を果たし、5大会連続出場となる日本チームに、海外メディアの注目も集まる。
【攻撃的サッカーを目指す】
イギリスのガーディアン紙は、「日本:W杯2014チームガイド」と銘打って、日本チームを分析している。
まず、スター選手として本田、香川の名前が挙がったが、期待されるのは、昨年マインツに移籍して以来、ゴールを量産するようになった岡崎だ。また、昨年プレミアリーグのアストン・ヴィラも興味を示した、清武の名前も挙がった。
ザッケローニ監督については、強気ムードで攻撃的なチームを作り上げたと解説。戦術についても、前回大会では訓練されすぎた、リスクを嫌う「アンドロイド・フットボール」と評判だった日本サッカーは、今は見る影もなく、31歳のストライカー、大久保を代表に選んだことで、監督の攻撃の意図は明確になったと述べた。「彼には経験、強烈な個性、ゴールに対する嗅覚がある」と期待も大きい。
【本田が中心】
ロイターは、今大会では本田が攻撃プランの中心人物だとし、初の準々決勝進出のためには、彼がフル回転しなければならないと述べる。本田のゲームを読み、味方をプレイに引き込む力は、チームの持ち味となっており、彼の機敏なドリブルが、パスが流れを左右する最近のサッカーにおいては、重要なキーだという。
ACミランでは苦労しているものの、ザッケローニ監督は本田の才能を理解している。「自分のDNAに組み込まれている」というブラジルでの攻撃的役割で、本田がもう一度花を咲かせるのを、ザッケローニ監督は見たいのだろうと、ロイターは二人の信頼関係にも注目している。
【経験は年齢に勝る】
さて、W杯を前に、ゴールドマンサックスの日本株ストラテジスト、キャシー・マツイ氏は「ブルームバーグ・ヴュー」に寄稿し、経済専門家の視点から日本代表を論じている。
マツイ氏は、日本社会と同様に、日本代表の平均年齢は27歳と高く、1950年以来、これだけ平均年齢の高いチームが優勝したことは、1度しかないと述べる。しかし、「サムライブルー」は若者にはない経験の豊富さで年齢を補えるとし、日本企業が成長を求めて海外進出するように、日本代表にも欧州のトップクラブでプレーする選手が多くいると指摘する。
同氏は、安倍首相が「アベノミクス」で日本経済を上昇に転じさせたことにならい、ザッケローニ監督が日本チームを引き上げていくことを、サッカーファンは切望するだろうと述べている。
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