月間MVPの田中投手、“実質エース”と米紙絶賛 チームメイトも評価、しかし本人は謙遜
5月のアメリカン・リーグ月間最優秀投手に、ニューヨーク・ヤンキースの田中投手が選ばれた。5月は6試合に先発し、5勝1敗で、防御率1.88。43イニングを投げ、1完封、42奪三振、6四球という見事な成績を残した。チームの他の投手が低迷するなか、着実にステップアップする田中を、海外紙が讃えている。
【ファンも好意的】
今回の受賞は、賞の創設以来、ヤンキースのルーキーとしては初となった。
「このような賞をいただけて大変光栄で幸せ」としながらも、「肝心なのは、自分は賞のためになげているのではないということ。これだけで満足することはあまりできない」という田中のコメントを、MLB.comは紹介している。
また、ヤンキース・ファンからは、「期待が高まる」、「田中なしではチームは勝てなかった」、「彼はこのまま行くね。前評判よりずっとよかった」など、活躍を評価するコメントも投稿されている。
【実力を証明】
ニューヨーク・タイムズ紙によれば、田中はもともと先発ローテーションの中では、サバシア、黒田の後の3番手と位置付けられていたらしい。
ところが、シーズン開幕後、サバシアは故障リスト入り、黒田もワースト・シーズンというほど結果を出せず、ふたを開けてみれば田中が最も頼りになる先発、そして実質的エースという展開になった。
田中自身は、「エースとは感じない」と控えめだが、キャッチャーのマッキャンは「彼は先発ローテーションではトップだ。これからも皆を魅了するプレイを続けるよ」とその実力を認めている。
【コラムニストも絶賛】
スポーツ・ファンのためのサイト「Bleacher Report」で、コラムニストのギャリ―・フィリップス氏は、田中を「ただ、ただ、素晴らしい」と絶賛する。
同氏はヤンキースが7年で1億5500万ドルという大型契約で田中を獲得したときに、「日本で成功してもメジャーではダメな投手が多い」、「大金を投じて、どんなリスクが待っていることか」など、多くの批判の声が寄せられたことを紹介。
しかし田中は、先発としては、今のところ誰よりもよい数字を残しており、彼の持つ勝者として、また競争者としての思考態度が、チームにとっては数字以上に重要だと指摘する。「ヤンキースが勝利を必要とするときは、田中は常に勇敢にプレーする。負けが続けば、それを断ち切って見せる。彼は切り札であり、チームの大黒柱だ」
良い結果を残せたのは、「まだバッターは自分を良く知らないから」と言う田中の謙虚さが、爽やかで気持ちがいいと褒めるフィリップス氏だが、思い違いをしないようにと、最後に田中に忠告している。
「田中将大こそ、ヤンキースのエースだ」
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