キットカットは、日本土産の新・定番? 全種類制覇目指す観光客も

 多くの限定チョコレートを発売している「キットカット」。西武池袋本店に世界初の専門店がオープンするなど、日本でその人気と話題は尽きることがない。

【キットカットフレーバーの変遷】
 キットカットのオリジナルフレーバーはミルクチョコレート。そのフレーバーに、最初の変化が起きたのは、1942年。ミルクチョコレートがダークチョコレートフレーバーとなった時だ。ただしそれは、戦時中の原料不足が原因であり、戦後は元通りのオリジナルミルクチョコレートフレーバーに戻されている。

 キットカットにとって、消費者の嗜好性を追求したフレーバーの変化は、1996年のキットカットオレンジの発売が皮切りとなる。イギリスで発売されたこの新フレーバーは、キットカットの世界的知名度と人気をさらに盛り上げるものとなった。

 そして、海外でも話題となる、キットカットの日本限定フレーバーが誕生し始めたのは、2000年に入ってからのことだ。日本で発売されたキットカットは、100以上にのぼるという。

【「きっと勝つ」キットカットと限定キットカット】
 キットカットを「きっと勝つ」の音にあてはめて、受験のお守りとして販売したことをきっかけに、日本の激しい受験戦争の中で受験生は受験に勝ち、キットカットはシェアを勝ちとった。

 加えて、さまざまなフレーバーを販売するにあたり、期間や地域を限定することで、その特別感を演出することにも成功している。

 こうしたマーケティングの成功で、キットカットは日本国内で、独自のスタイルを持って発展してきた。

【日本へ行ったらキットカットを食べないと!】
「ChicagoNow」に掲載されたブログでは、シカゴ出身・在住の米国人家族が、旅行先の東京で、キットカットを求めてさまよう様子が語られている。

 著者の女性は最初、夫が、「東京で絶対にやらなくちゃいけないことがあるんだ。それはキットカットを食べることだよ」と言うのに驚いたと述べている。

 しかし実際のところ、日本滞在中、「キットカットを探すこと」は、常に旅行目的の上位にあった。地域の食料品店を訪ねて回り、キットカットショップを訪れた熱心さからは、執念めいたものが伝わってくる。

 夫の言葉が冗談にしか思えなかったという彼女も、「もちろん冗談ではなかったし、その通りだった」との感想を残している。

【日本のキットカットへの海外の反応は?】
「WeirdAsiaNews」では、数多くの日本限定キットカットが紹介された。これに対して、「キットカットショッピングを日本旅行のリストに加えなくちゃ」、「スゴイ! 全種類試したい」、「抹茶味最高!」、または、「ワサビ味はかなり変」、「ホントにチョコレートの味なの?」などのコメントが寄せられ、それぞれ興味津々な様子がうかがえる。

 日本滞在を終えたブログの著者は、成田空港でも、さらに数種類の限定キットカットを発見し、旅行者たちの多くがお土産にピッタリなキットカットを大量買いしている様子をレポートしている。

 彼女が、今後東京へ向かう旅行者たちへのアドバイスとして、「キットカットを箱で大量買いするための、機内持ち込みバッグを余分に持つように」と呼びかける様子は、出発前の彼女の夫の発言に重なるものがある。

 日本限定キットカットが、日本土産の新たな定番となる日も近いかもしれない。

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Text by NewSphere 編集部