“日本の偽善” ASKA逮捕でジブリDVDが発売延期 海外から批判
「CHAGE and ASKA」のASKAが覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されたことを受け、ユニバーサルミュージックは同デュオやASKAソロのCDやDVDなどの出荷を停止、回収すると発表した。また、ウォルト・ディズニー・ジャパンも彼らの楽曲「On Your Mark」を収める予定だったBD/DVD-BOX「宮崎駿監督作品集」からこの曲の収録中止や既に彼らの曲入りで発売されていたDVD「ジブリがいっぱい SPECIAL ショートショート」の出荷を停止する決断をした。
今回の日本企業の動きに対して海外からは驚きの反応が相次いでおり、各国・地域における薬物に対する意識の違いが浮き彫りになっている。
【日本社会は薬物違反に対して厳しい?】
ASKAの逮捕が社会的にマイナスイメージではあるものの、レコード会社らはこの話題性を逆手にとって売上を伸ばそうという気はないようだ、と海外ゲームサイト「Kotaku」は驚いている。北米最大手のアニメ紹介サイト「アニメニューズネットワーク」も社会への見せしめとして警察やメディアが一団となって徹底的に罰しようとする日本は厳しすぎるのではないかとの疑問を投げかており、両サイトの読者からは続々とコメントが寄せられている。
特に欧米からは、アーティストが薬物を使用していることが発覚するたびに彼らの作品の販売をやめていたら店頭はほぼ空っぽになってしまう、という声が少なくない。例えば、ビートルズのポール・マッカートニーや、映画監督のオリバー・ストーン、女優のアンジェリーナ・ジョリーなど大勢の大物セレブがこれまでに薬物使用で逮捕されたりリハビリ施設に入ったりしているが、彼らが業界から消されることはない。
【作品やファンにまで罰を与えるのは馬鹿げている】
日本に比べて薬物使用に寛容な欧米では、社会のルールを破ったことで、レコード会社との契約が打ち切られる等は理解できるが、作品の販売停止で悲しむのはファンたちだとして、素晴らしい作品や無実のファンにまで影響がでるのは馬鹿げていると呆れる声も多く寄せられている。日本社会の偽善っぷりは腹立たしいとまで訴える読者も相次いだ。
【支持する声も】
一方で、日本社会の姿勢がどうであれ、欧米に比べて薬物が乱用されることの少ないのは事実なので、必ずしも批判できないとする意見もあるようだ。欧米ではセレブの薬物使用があまりにも日常化している上に、子供達を含め、誰でも目にすることができるテレビや映画でさえも薬物の使用シーンがあるなど、その危険性を軽んじている傾向にあると指摘されている。
【罰するだけではなく支援も重要?】
欧米では過去に薬物使用で逮捕されているセレブらが立ち直り、若者たちの見本として経験談を語ることが少なくない。むしろ苦しい経験に打ち勝ったことが評価され、人々の支持を得ることができるようだ。この観点から言えば、日本は罪を厳しく罰するだけではなく、立ち直るための支援をもっとするべきだと指摘する声もあった。日本では「罪=恥」であり、社会的にタブーとしているままでは根本的な解決にはならないのかもしれない。
週刊文春が報じた「シャブ&飛鳥」の衝撃【文春e-Books】 [amazon]