14万円の高級パンケーキも!?  キリスト教圏の伝統行事パンケーキ・デイ、各国の祝い方とは?

 パンケーキ・デイとは、キリスト教の四旬節の初日である灰の水曜日の前日のことである。イギリスやアイルランドなど欧米ではこの日にパンケーキを食べる習慣があるという。今年のパンケーキ・デイは3月4日であったが、世界各国はどのようにこの日を祝ったのだろうか?

【世界で最も高級なパンケーキ】
 英デイリーメールは、世界最高級のパンケーキについて紹介している。イギリス、マンチェスターにあるラディソン ブル エドワーディアン ホテルの5つ星レストランOpus restaurantにて、世界で最も高い、800ポンド(約14万円)のパンケーキを食べることができる。このパンケーキの食材には、ピンクシャンパン、ロブスター、トリュフ、キャビアが使われている。ヘッドシェフ、マシュー・ドーンズ氏の独創的な考えからこのパンケーキは生まれた。ドーンズ氏は20分で手早くパンケーキを作り上げる。伝統的な平らなパンケーキではなく、ドーンズ氏のパンケーキは三角形で、ピンクのトッピングが施されている。「パンケーキ・デイが近付いてきて、それにちなんで何か特別なことができるだろうと考えて、豪華なパンケーキを作ることを思いついたんだ」と語る。

 また、ドーンズ氏は「皆を驚かせるような、最高の食材しか使ってないよ。本当にこのパンケーキを誇りに思っている。このパンケーキの味は絶対に価格に恥じないものだ」、「私たちがやりたかったことは、人々が食べることのできる最高のパンケーキを作ること。それが世界で最も高いパンケーキとなったんだ」、「食材はどれも安くない。これらの食材を使用でき、シェフとして本当に誇りに思う」、とコメントをしている。このパンケーキは、2009年に同ホテルのシェフが作った1枚144ポンドのパンケーキの記録を塗り替えた。

【世界各国のパンケーキ・デイの祝い方】
 英International Business Timesには世界各国のパンケーキ・デイの祝い方が紹介されている。

 ブラジルや、その他のポルトガル語圏諸国、スペイン語圏諸国、イタリア語圏諸国では、パンケーキ・デイはカーニバルとして祝われる。カーニバルという言葉は、“肉を持ち去る”という意味の“carne levare”という言葉に由来している。カーニバルは、カラフルな行列、音楽、派手な衣装などで祝われる。最も有名な行事は、リオデジャネイロのカーニバルである。イタリアでは、ベネチア人が仮装パーティーでお祝いする。

 ポーランドでは、パンケーキ・デイは“ドーナッツ・デイ”を意味する“Paczki Day”(ポンチキの日)と呼ばれることもある。この日は、灰の水曜日の前の木曜日にあたる。ポンチキの日は、音楽やポーランド料理でお祝いされるほか、この日にはポンチキ早食いコンテストも開催される。シカゴ、バッファロー、デトロイトといったアメリカの都市の大きなコミュニティーでは時折、パンケーキ・デイの代わりにポンチキの日が祝われる。ポンチキの日は、“tłusty czwartek”とも呼ばれるが、これは“脂の木曜日”という意味である。

 パンケーキ・レースという催し物も行われる。パンケーキ・レースでは、人々はゴールラインを超える前に、パンケーキを宙に投げなければならない。パンケーキが宙に投げ上げられた時間と高さを評価し、点数が与えられる。このパンケーキ・レースは、人々がパンケーキを作った後、正午までに教会に大急ぎで行き、罪を告白するというところから創り上げられた伝統だと言われている。

【無料パンケーキのサービスも】
 International House of Pancakes(アイホップ:アメリカを本拠とするレストランチェーン)は、2006年に同社が作った「全国パンケーキの日」という休日を祝うため、3月4日の朝7時から10時までの間にパンケーキショートスタック(パンケーキ3枚)を無料で提供するという。その一部はChildren’s Miracle Network Hospitalsに寄付される。同社は全国パンケーキの日のプロモーションを通じ、2006年からチャリティーのため総額1300万ドルを集めたという。

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Text by NewSphere 編集部