303万RTのオスカー俳優“自撮り”は、サムスンのPR!? 海外の批判的な反応とは
第86回米アカデミー賞授賞式が2日、ロサンゼルスで行われた。作品賞はスティーブ・マックィーン監督の「それでも夜は明ける(原題:12 Years a Slave)」、主演男優賞は「ダラス・バイヤーズクラブ」のマシュー・マコノヘイ、主演女優賞は「ブルー・ジャスミン」のケイト・ブランシェットだった。
授賞式は世界中で実況放送された。放映中、司会の女優エレン・デジェネレスが、会場でサムスンのスマートフォン「Galaxy Note 3」を持ち歩き、次々に他の俳優と写真を“自撮り”してはツイッターに投稿したことが話題となっている。
【サムスンの宣伝に一役買った】
特に、彼女がブラッドリー・クーパーにスマホを渡し、周囲にいたブラッド・ピットやメリル・ストリープ、ケビン・スペイシー、ジェニファー・ローレンスらと“自撮り”した写真は、303万回以上のリツイート(同日12時6分時点)を記録している。これまでの最高のリツイート数は、2012年バラク・オバマ大統領再選後の大統領自身のツイートで77万8424回だった。
この写真自体はあくまで偶然の産物のようだが、授賞式を放映した米ABC放送は、番組スポンサーのサムスンと、式の中で同社のスマホを使用する取り決めをしていた、とウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。
ただ同紙によると、授賞式で“自撮り”をしたいと思っていたデジェネレスに対し、ABCがサムスン社の商品を使わないかと提案したという。
【テレビ番組はスポンサーの商品紹介のためにある!?】
ウォール紙は、米広告業界関係者の、「エレンの自撮りは、テレビコマーシャルなんかよりはるかな効果があるだろう。こんな強力な波及力をお金で買うことはできないね」とのコメントを取り上げている。
番組中にスポンサーの商品を使用することは、テレビ業界では以前から行われてきたことだ。しかし、最近特に、CMを除いてテレビ番組の録画が可能になったことなどの理由から、より好まれる手法になってきたという。アカデミー賞は、ほとんどの視聴者が実況を好むため、CMを取り除かれる心配はあまりないが、スポンサー側は、CMと併せて番組中で商品が使用されることはやはり効果的だ、と話している。
【読者からは批判的な反応】
アカデミー賞授賞式で、スポンサーの商品が使われたという記事には、批判的な意見が多く見られた。一部、“正直なエンターテイメントを印象づけるユーモア”など肯定する意見もあったが、ほとんどは、“オスカーとオリンピックは、純粋な催しじゃないよ。商品の見本市さ”など、批判するものが多かった。
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