恋愛成就の神「月下老人」像、バレンタインに台湾から来日! 初めての試みに現地メディアも注目

 台北の大稻埕という地域にある霞海城隍廟に祀られる月下老人は、恋愛成就の神様として、台湾人、日本人に大変人気である。その月下老人が、バレンタインに沖縄にやってくる。月下老人が海外に行くのは、これが初めてのことである。この月下老人とは、一体どのような神様なのだろうか?

【月下老人とは?】
 「月下老人」または「月老」として知られるこの神様は、唐に起源があり、日本人にもお馴染みの「運命の赤い糸」は、この月下老人がつかさどると言われている。台湾では、霞海城隍廟にその像が捧げられた1971年以降、神聖視されている。
 
 霞海城隍廟は大きくはないが、週末や休日には多くの信者がやってくる。近年では、日本人観光客も増加している。独身の人々は、理想の相手が見つかるようにと、月下老人を崇拝する。一方で既婚の人々は、月下老人の妻の「幸せの靴」を探そうとする。多くの人々が、家のクローゼットの中にその靴を置いておくと、仲の良い関係を築くことができると信じているのだ。

 台湾ナビによれば、霞海城隍廟での参拝方法は日本と異なっており、特に特徴的なのは、線香を持ったまま複数の神様にお参りした後、最後に線香を刺す、という点である。

【初めての海外旅行】
 台北タイムズによれば、月下老人が初の海外旅行に同意したという。霞海城隍廟が位置する大同地区の管理者は、「月下老人は同意しました。私たちは筊杯という占いの儀式(三日月形の占いの木製道具1組を投げることによって行われるもの)を行ったのです」、続けて「霞海城隍廟には月下老人の像が何体かありますが、日本に向かうのは、ホークラックス(月下老人の魂の一部を持つ、魔法の力を持った像)です」とコメントしている。

 また、「台湾人は月下老人が日本に行ってしまっても、霞海城隍廟を訪れることができます。月下老人のメイン像があり、彼が通常の礼拝を行うのです」とも述べている。

 月下老人の沖縄訪問は、沖縄県産業振興公社との共同で行われるもので、台湾茶、滷肉飯などの台湾製品のプロモーションやカラオケコンテストなどといったイベントも開催される予定である。バレンタイン当日、月下老人は「運命の赤い糸」で結ばれた二人の恋愛を成就させてくれるだろうか。

台湾の歩き方 2013-14 (地球の歩き方ムック 海外 6)

Text by NewSphere 編集部