“作戦勝ち”小野塚選手、スキー女子ハーフパイプで銅 海外メディアの評価とは
フリースタイルスキー女子ハーフパイプで、小野塚彩那が銅メダルを獲得した。
【地元も興奮。強豪を抑えみごと銅メダルに】
フリースタイルスキーのハーフパイプは、予選2回の滑りのベストスコアを採用し、上位12名が決勝へ進出する(今回は1名棄権のため11名が決勝進出)。決勝では2回を滑り、ベストスコアで順位が決まる。
小野塚は予選を4位で通過。決勝では2回目に83.20のスコアを出し、欧米の有力選手を抑え、銅メダルを獲得した。金はアメリカのマディー・ボーマン(スコア89.00)、銀はフランスのマリー・マルティノ(スコア85.40)だった。
日刊スポーツによれば、小野塚の地元新潟県南魚沼市では100名超の関係者がパブリック・ビューイングに集結し、メダル獲得が決まるとくす玉が割られ、勝利の美酒に酔ったという。
【メダルには難易度より確実性】
スポーツ報知によれば、小野塚は学生時代、アルペン選手だったが、五輪種目採用をきっかけにハーフパイプに転向した。直前のW杯では自己最高タイの2位に入り、転向してわずか3年で五輪メダリストとなった。
もっとも朝日新聞によれば、今回はプラン通りのメダル獲得だったという。昨年10月の時点で、小野塚とコーチは、技の難易度ではなく、確実性を高める方針を決めていた。アルペンの経験と高さのあるエアを持つ小野塚なら「回転数を上げなくても高さを生かせばメダルをとれる」と判断したという。
実際に強豪選手は高得点を狙った大技を次々と失敗したが、小野塚は慣れ親しんだ構成の技で確実に点数を稼ぎだした。
【日本勢の成長に海外も注目】
海外メディアも、小野塚の躍進を讃えている。
スポーツファンのためのデジタルメディア『ブリーチャー・レポート』は、小野塚が予選から安定した滑りを見せ、83.20のスコアを叩き出した決勝2回目の見事な滑りで、銅メダルを「かっさらった」と表現した。
AP通信は、皆が難しい技で小さなミスを重ねていく中、小野塚はミスのない高さのあるパフォーマンスを審判に印象付けたと解説している。派手でもなく、テクニックを見せつけたわけでもない。エアでスキーを掴むグラブをすることもほとんどなかったが、安定したスコアを出し、その必要もなかったと述べた。
また、今回の小野塚のメダルが、スノーボード・ハーフパイプの平野と平岡、パラレル大回転の竹内に次ぐ「アクション・スポーツ」での4つ目のメダルとなることに触れ、この分野での日本の台頭をさらに確実にしたと伝えている。