新国立競技場の建築家、カタールでも物議 芸術か?「巨大な女性器」か?
下村博文五輪担当相は今週、巨大なヘルメットのようなデザインで物議を醸している、2020年東京オリンピック新競技場を4分の3に縮小する計画を発表した。建築家ザハ・ハディド氏が設計した新競技場は、あまりに建物が大きく予算が大幅に膨らんだため、国内の建築家を中心に非難の声が上がっていた。
なお計画縮小後も、当初政府が設定していた予算よりも約40%多い1800億円を必要としている。
時期を同じくして、ハディド氏のデザインがカタールでも問題となっている。議論を呼んでいるのは、2022年のワールドカップの会場となる、カタールのアル・ワクラー競技場だ。ひだ状の外壁を持つ流線型の卵型をした外観で、建物中央の天井に開口部があるデザインだ。これが「女性器の形をした競技場」との評判が広まっているのだ。
【ハディド氏は「馬鹿げてる」と】
ハディド氏は、建物のひだは、中央の開口部を支えるため構造的に必要なもので、そのデザインは、カタールの伝統的貿易用帆船をイメージしたのだと説明している。同氏は、「人々のくだらない意見に、本当に当惑させられる」「何を話してるかって?建物の穴が女性器に見えるって話ばかり。馬鹿げてる」と話したと海外紙が報じている。また、「もし男性がこれを設計したら、こんな解釈はされなかったでしょうね」とも発言した、とオンライン・ニュース・メディア、デイリー・ビーストが伝えている。
【そうとしか見えない】
風刺ニュース番組「ザ・デイリー・ショー」の司会者ジョン・スチュワート氏は、新競技場について、「ジョージア・オキーフが描いたエロティックな花の絵の中に実際に入り込むようなものだ」と、建物のデザインを揶揄した。また、女性向けサイト「ジェゼベル」では、「見る目のある人なら誰でも、建物がまさに巨大な女性器に見えることをすぐに気づくでしょう」と評している。
デイリー・ビーストは、芸術作品の本質は、作家が伝えようと意図した内容よりも鑑賞者の反応に意味があるのではないか、と人々の感想を支持している。そして、建物が女性器に見えるという感想を誰も非難するべきではないとも意見した。
この記事に対するコメントは、話題の内容から茶化した意見が多いが賛否両論あるようだ。
・この競技場がなんてあだ名で呼ばれるか考えると恐ろしいよ。
・日本に建設予定の建物は、もう少し遠まわしな表現だけどね。
などの否定的な意見の他、
・私には性的なものに見えないけどな、多分そんなこと言う人たちは子供っぽいのよ。
・多くの偉大な芸術家がそうであったように、彼女は現実認識という点で抜きん出てる。
とハディド氏の才能を賞賛するものもみられた。