ポケモン新作『X・Y』の意味とは? ネーミングに込められた世界戦略
12日、ニンテンドー3DS専用ソフト『ポケットモンスターX・Y』が発売された。ポケモンシリーズ初となる、世界同時発売だった。
米マンハッタンにあるニンテンドー・ワールド・ストアーをはじめ、オーストラリア、ブラジルなど海外でも発売前から何百人もの長蛇の列を作っていたようだ。国内のポケモンセンター・トウキョ―にいたっては、通常10時の開店時間が約1時間半繰り上げられたという。
『ポケットモンスターX・Y』は発売前から大きな注目を集めており、米国では予約本数40万本、国内にいたっては、前作の116万本を越え126万本に達した。これはニンテンドー3DSソフト史上最多だという。
前作と比べ新しいポケモンも多数加わり、700種類以上に及ぶ。バトルモードでは、新たに空中戦の「スカイバトル」や一匹で複数の敵と戦う「群れバトル」も楽しめるようになった。
【『ポケモンX・Y』の「X」と「Y」とは?】
ワイアード誌は、『ポケットモンスターX・Y』の名前の由来が、主に2つの要因からなると紹介している。
一つは、文字の形が世界共通だからだ。「X」と「Y」の読み方は、「エックス」や「イクス」など発音は異なるが、文字の形は世界共通であること。
もう一つは、X軸(横軸)とY軸(縦軸)を表しており、世界中のさまざまな思想や考えを持つ人たちを、X軸とY軸に置き換え、当てはめることで「接点」が見いだせる事だ、と伝えている。
換言すれば、言葉や文化、価値観などが違っていても交わる「接点」が必ず存在することを強くアピールしたいようだ。
他方、「X」は鹿のような伝説ポケモン「Xerneas(ゼルニアス)」、「Y」は鳥のような伝説ポケモン「Yveltal(イヴェルタル)」をあらわすのでは、との声もあるという。
【ポケモンが世界で長く愛される理由は?】
全世界でシリーズ累計1億7200万本(2013年3月末時点)を記録する人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズは、1996年に初登場した『ポケットモンスター赤・緑』以来、大ヒットとなっている。
このゲームの基本プレイは、プレーヤーがポケモントレーナーとなって、様々な土地を探検し、ポケモンを捕獲・育成しながら、他のトレーナーたちと対戦バトルを繰り広げていく。
海外プレーヤーは、探検家になり、さまざまな生き物の調査や捕獲をして育てる過程に魅力を感じているようだ。また、性別があるところや進化過程においでダーウィンの進化論のようにポケモンがどのように進化していくのかが面白い、などと評価する声が挙がっている。
ゲーム情報サイト「Joystiq」は、イギリスにおけるゲームソフトの売上ランキングトップ10(10月12日時点)を紹介。発売初日ですでに『ポケットモンスターX』が3位、『ポケットモンスターY』が4位につけており、『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』の初週売上の約2倍になるのでは、と予測している。