なぜ香川はマンUで活躍できないのか? 海外紙が分析
香川真司が、所属するマンチェスター・ユナイテッド(以下、マンU)で苦しんでいる。今シーズン、これまでのところプレミアリーグでの先発出場はわずか1度で、そのプレー時間も前半の45分のみに止まった。
昨季、大活躍したドルトムントからマンUに移籍し、シーズン1年目は新しいリーグ、チームに慣れるための時間と見られていた。プレミアリーグの水にも慣れた2シーズン目の今季は誰もが活躍するのではないかと期待した。いったい、香川に何が起きたというのだろうか。
【ドルトムントで成功できた理由】
スポーツニュースサイト「Bleacher Report」は、香川がドルトムントで成功できた理由として、大きく分けてふたつ挙げた。
ドルトムントはハードワークを要求されるチームとして知られていた。実際に香川の運動量は相当なもので、1試合での平均的な走行距離は12.36kmもあり、ブンデスリーガでもロールモデルとして崇められていた。
そして、ドルトムントはマンUとは異なり、パスサッカーを信奉していた。これは香川が得意とするスタイルである。当時のチームメイトであったマリオ・ゲッツェ(現バイエルン)や、レバンドフスキらと巧みなワンツーからスペースに抜け出しゴールを狙うスタイルで、ブンデスリーガや国内カップ戦での優勝に大きく貢献した。
【マンUで活躍できない理由】
マンUのモイーズ監督は香川に十分な出場機会を与えない理由として、イングランドで戦うのに十分なコンディションではないことを挙げている。
ただ、香川のサイズは172cm、64kgと確かに華奢であるが、運動量に関しては問題ない。さらに彼には、プレミアリーグの強靭なフィジカルを生かしたサッカーを、その戦術眼と優れたテクニックでカバーできるだけの力はあると評される。
問題を挙げるならばチームのシステムになる。香川が生きるのは「4-3-1-2」で、この「1」のポジションであるが、モイーズ監督が好むのは「4-3-3」「4-2-3-1」「4-4-2」だ。そして香川はサイドMFとして起用されているので、ドルトムントで見せたスペースに走りこむ能力や得意のワンツーのスタイルを生かすことはできない。ドルトムント時代とは違う役割になってしまっているのが十分なパフォーマンスを見せられてない要因だ。
【香川の今後の動向】
ドルトムントの恩師クロップ監督は「シンジは世界で最も優れた選手のうちのひとり。マンUでの出場時間はわずかで、しかも左MFとして起用されている。私は心が痛い」と嘆いている。
これまでも古巣ドルトムント復帰の噂がメディアで報じられてきたが、これまでのモイーズ監督との相性を見る限り、冬の移籍市場でチームを去る可能性もあると言えよう。