日本だけでモンハンが売れる理由とは?海外ニュースサイトが分析

 4日間にわたって開催されたゲーム展示会「東京ゲームショウ2013」が22日、大盛況のうちに幕を閉じた。入場者数は過去最高の27万197人。出展企業も過去最高の352社(そのうち162社が海外企業)が参加し、600タイトル以上のゲームが出展された。

 海外ではゲーム系のニュースサイト以外でもイベントの様子が取り上げられるなど、同イベントに対する注目度は高いようだ。

 記事では、イベントの様子のほかに、日本と海外のゲーム市場の違いについて論じているものが目立つ。その際、言及されるのが2つの人気ゲームシリーズだ。

【日本だけで売れるモンスターハンター】
 まず、シリーズ累計2,500万本を売り上げているモンスターハンターについて。9月14日に発売された最新作「モンスターハンター4」は、発売後わずか4日間で出荷数200万本を突破するほど人気がある。

 ただ、海外メディアは、他国では日本ほどには売れておらず、100万本以上出荷したタイトルは存在しないと指摘。
 
 その理由について、海外ゲームサイトKotakuは、ハード側の問題を挙げた。

 モンスターハンターは、複数のプレーヤーが同時に参加できるマルチプレイが特徴で、協力して共通のミッションをこなしていく。友達などで携帯ゲーム機を持ち寄って、一緒にプレイすることが楽しみの一つだが、海外では日本ほど携帯ゲーム機が普及していないと指摘。日本では、通勤・通学に電車、バスを利用する人が比較的多いことも、携帯ゲーム機携普及の背景の一つとみているようだ。

【日本で売れない海外人気ゲーム】
 対照的に、アジアワンにおいて取り上げられているのが、全世界でシリーズ累計1億2500万本出荷しているグランド・セフト・オートシリーズだ。

 こちらはモンスターハンターとは逆で、海外では大人気だが、日本では比較的売れていないという。アメリカで9月17日に発売(日本では10月10日発売予定)された最新作「グランド・セフト・オートV」は、発売初日に800万ドル(約7億9千万円)という莫大な売上をあげ、大ヒットした前作を上回る勢いを見せている。

 グランド・セフト・オートは、現代の都市を舞台にアウトローの主人公が犯罪を行う内容。セックス、売春、飲酒運転、自動車乗っ取り、ギャンブル、殺人、などの過激な表現が含まれているため、ゲームで「現実逃避」を楽しみたい日本人には敬遠されていると記事は指摘している。

 記事では、「日本の消費者は、暴力的、反社会的、過度の性的表現を含むものよりも、ファミリー向けのゲームを好む傾向がある」とのゲームソフトの倫理審査機構職員の声を伝えている。

 総じて、剣や魔法などのファンタジースタイルのゲームが好まれる日本と、銃撃戦のような「現実に近い」ゲームが好まれる海外との違いを浮き彫りにする記事が目立ったといえる。

Text by NewSphere 編集部