東京五輪で「鬼ごっこ」が公開競技に?

 8日の2020年夏季五輪・パラリンピック開催都市の東京決定に続き、競技からの除外が危ぶまれていたレスリングが中核競技として確定した。オリンピック開催に向け国内が沸く中、日本の「鬼ごっこ」を公開競技として押し進める動きが、海外から注目を浴びている。

【鬼ごっこ協会のロビー活動】
 デイリー・テレグラフ紙(英)が5日に報じたところによると、2020年オリンピックの公開競技として、日本の伝統的な遊び「鬼ごっこ」採用へ向け、一般社団法人鬼ごっこ協会がロビー活動を行っているという。同協会は、「鬼ごっこ」の啓発及び推進事業実施などを目的に、2010年に設立された。城西国際大学教授・羽崎泰男氏が会長を務め、現在、学生などを中心に約1000人が会員として在籍している。

 オリンピックにおける公開競技とは、プロモーションなどを目的に行われるものを指す。正式種目ではないため、メダルの授与はあっても、正式なメダル獲得数にはカウントされない。当該スポーツが開催国で普及していることなど、ある一定の条件を満たす場合に認定されることがあるが、五輪肥大化の懸念から、92年バルセロナオリンピックを最後に行われていない。

【鬼ごっこは誰もが参加できるスポーツ】
 羽崎氏は、鬼ごっこは、サッカーなどのように特別な技術はいらず、4歳の子供から80代の高齢者まで年齢問わず誰もが参加可能であること、庭や森、海辺など、様々な場所で楽しめるスポーツであることを強調。

 国際オリンピック委員会(IOC)が、長く世間に受け入れられてきたレスリングでさえも中核競技のから除外しようとした過去に触れ、IOCに「鬼ごっこ」を競技のひとつとして認めさせることは難しいとの懸念を示している。一方で、「2020年の東京オリンピックは、鬼ごっこを広める最高の舞台。五輪での公開競技として採用後、以降の公式種目としての認定を望む」と期待を見せた。

 同協会では鬼ごっこの公式ルールを規定。7人制で、フィールドは15×25m。前後半5分で競う。HPによると、ルールは下記の通りだ。

1、時間内に宝を多くゲットしたチームが勝ち。
2、相手の宝を取りに行きながら、自陣の宝を守る。
3、タッチする時は、必ず両手でタッチする。
4、Tエリアの内側に守りの選手は入ってはいけない。
5、センターラインを超えて敵陣に入り、相手にタッチされたら自陣のSエリアに戻り再スタート。
6、敵陣のSエリア入ると相手からタッチされない。
7、タッチするときに、押したり、叩いたりしてはいけない。

※なお海外紙では、「hide-and-seek」と紹介されているが、羽崎氏は「鬼ごっこ協会」の会長であることから、本文中では「鬼ごっこ」で統一している。

Text by NewSphere 編集部