日本も上位、世界海運ランキング トップ3に見る海運覇権の構造と実態

GreenOak / Shutterstock.com

◆国家戦略で迫る第二位

Alex Tao Wang / Shutterstock.com

 これに続くのが中国である。中国は船主としての存在感に加え、造船、港湾、物流を含む総合的な海運能力を背景に急速にシェアを拡大してきた。UNCTADによると、その保有船腹量は約3億5000万重量トン規模に達し、世界シェアは14%前後と上位に位置する。

 ギリシャと異なり、自国旗の比率も比較的高い。約4割前後の船舶が中国船籍で登録されており、一定の規模で自国制度の下に船隊を維持している点が特徴だ。国有企業を中心に船主機能と運航機能が結びつき、国家の管理下で戦略的に運用されている。

ambient_pix / Shutterstock.com

 さらに、中国は世界最大級の造船能力と港湾ネットワークを背景に、海運を産業政策の中核に位置づけてきた。国内で建造された船舶を自国船隊として取り込み、港湾・物流と連動させることで、海上輸送の内製化を進めている点も重要な特徴である。

 こうした一体的な体制は、輸送だけでなくサプライチェーン全体の主導権確保にもつながっている。制度と産業の双方を押さえる国家一体型モデルの代表例といえる。

次のページ 第三位は分業型の代表

Text by 切川鶴次郎