日本も上位、世界海運ランキング トップ3に見る海運覇権の構造と実態

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◆海運は「インフラ」

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 こうした分類は単なる産業分析にとどまらない。海運は原油や鉄鉱石、穀物といった基幹資源の輸送を担うインフラであり、その主導権はエネルギー安全保障やサプライチェーンの安定性に直結する。加えて、コンテナ輸送の拡大により、日用品や電子機器などの供給網にも深く組み込まれている。

 近年は紅海情勢やウクライナ戦争、貿易政策の変化などを背景に、海上輸送の経路や距離が大きく変化している。輸送距離の伸長はコストや環境負荷の増大にもつながり、海運の重要性はむしろ高まっている。航路の変更は単なる物流の問題にとどまらず、各国の経済活動そのものに影響を及ぼす。

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 このような環境下で、船隊をどのように保有し、どの制度の下で運用するかは、各国の戦略そのものといえる。

 ここまで見てきた構造を踏まえると、載貨重量ランキングの上位に位置する国々は、それぞれ異なるモデルを体現していることが分かる。

 では、実際に世界最大の船隊を保有しているのはどの国なのか。

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Text by 切川鶴次郎