負債130兆円、各地に「幽霊駅」…5万キロ迫る中国の高速鉄道網
完成後14年間使われていなかった亦荘駅。昨年10月に正式開業|N509FZ / Wikimedia Commons
◆採算性無視、政治主導のプロジェクト
回復の道はあるか。CNAは、中国の高速鉄道網の将来像について、中国の商業銀行である恒生銀行のチーフエコノミスト、王氏の見解を伝えている。王氏は同メディアに対し、「採算性の高い路線を維持し、不採算路線は廃止するという持続可能な方針が必要だ」と指摘している。
だが、先行きは不透明だ。中国の高速鉄道は、そもそも政治的側面が強いプロジェクトであった。WSJは、「習近平政権は、個人の所得向上よりも、国家による公共の利益を重視する共産党の原点に回帰している」と分析。「高速鉄道は中国の技術力を象徴する存在として位置づけられ、国民は誰に感謝すべきかを忘れないよう、最新型の列車は習近平氏の掲げる『復興』という名を冠している」と報じている。

復興号|Academia Centrum Limited / Shutterstock.com
経済合理性と政治的意図のはざまで、中国の高速鉄道網は岐路に立たされている。
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