負債130兆円、各地に「幽霊駅」…5万キロ迫る中国の高速鉄道網

完成後14年間使われていなかった亦荘駅。昨年10月に正式開業|N509FZ / Wikimedia Commons

◆完成しても利用されていない「ゴースト駅」
 値上げは焼け石に水となるかもしれない。そもそも利用されていない無用なインフラ投資が目立つ。英タイムズ紙は、中国の高速鉄道網に「ゴースト駅」が点在していると報じている。首都北京近郊の亦荘駅は2010年に建設されたが、14年間使用されないまま放置されてきた。同紙によると、鉄道当局は当時、高速列車を減速させてまで停車させる必要性を感じなかったという。その後、地下鉄網が急速に拡大し、宜荘駅は地下鉄駅の上に建つ無人駅となった。2024年10月1日にようやく正式に開業した。

河南省に建設中の高速鉄道駅(2021年10月)|Jenson / Shutterstock.com

 昨年9月に営業を再開した、中国中部の工業都市である鄭州市の南曹駅は、2017年から7年間放置されていた。CNAは昨年8月、このようなゴースト駅は中国全土に26ヶ所あり、その多くは北部と中部に集中していると報じている。

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Text by 青葉やまと