親のすねをかじるミレニアム・Z世代 米調査 独身実家暮らし増加

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◆ローンに苦しむ若者
 Z世代とミレニアル世代の若年層は、30年前に比べて正規雇用率および大学進学率も高い。たとえば、25歳から29歳の成人の40%が大卒であるのに対し、1993年の同年齢層では24%と低い。大卒で正規雇用であることは、生涯収入の増加やその他の経済的な利点につながるはずだが、マイナス面もある。というのも、過去30年間、賃金上昇率が緩やかな一方で、学費の高騰から学生ローンの負債額は大幅に増加している。25歳から29歳の学生ローンを抱える割合も、1993年の28%から43%に増加した。

 住宅問題も深刻化しており、29歳から34歳の住宅購入者は、30年前よりもはるかに多くのローンを抱えている。それが親に経済援助してもらう理由なのかもしれない。29歳から34歳の住宅ローンは、1993年には12万ドルであったのに対し、現在では約19万ドルに上昇している(インフレ調整後の中央値)。

 この調査によって、若者は学生ローンを背負い、持ち家のある人は親世代よりも多額の住宅ローンを抱えているなど、親とは違う形で借金に苦しむ姿が浮き彫りになった。

◆実家暮らし、晩婚化
 若者の約3分の1が実家暮らしを選んでおり、そのほとんどが経済的に助かっていると答えている。過去1年間に親と一緒に暮らしているという18歳から24歳までの若者の割合は57%で、1993年の53%と比べて微増した。

 親世代と比べて実家暮らしの若者が増えているのは、膨れ上がる借金など経済的な問題が原因かもしれない。社会の価値観も変化しており、実家で暮らすことへの社会的プレッシャーが弱くなっているのも一因だろう。

 一方で親と一緒に暮らす若者の大半が、経済的に負担していると回答している。65%が食費や光熱費などの生活費を、46%が家賃や住宅ローンを負担していると答えた。

 今の若者は、結婚や育児といった人生の重要な節目を親世代より遅く迎えている。経済的な重圧がその要因かもしれない。たとえば、結婚は遅くなり、特に25歳から29歳の既婚率は、1993年の50%に比べ29%と低い。また、子供を持つ年齢も遅くなっており、子供がいる30歳から34歳までの割合は47%と、1993年の60%と比べて低い。結婚や育児の年齢が遅くなっても、未婚者の若者の69%がいずれ結婚したいと答えている。

 現在の若者はそれでも自分たちの将来について楽観的な考えを持ち、現在経済的に完全に親から独立していない4人に3人が、いずれは親の援助が要らなくなり完全に独り立ちすると答えている。

 大学進学やローン、結婚、育児に関するデータは、政府の統計を基にしている。

Text by 中沢弘子