無形遺産になったフランスパンが危機 跳ね上がる光熱費、閉店するパン屋も
◆バゲット1本560円?!
赤字を避けるにはバゲット1本の値段を4ユーロ(約560円)にしなければ釣り合わないとパン屋は言う(フランス・アンフォ)。ちなみにバゲットの値段は現在1~1.2ユーロ(約140円~170円)が主流で、1.3ユーロ(約183円)となるとかなり高いというのが一般的な感覚だ。ブリオッシュや甘いペイストリーと異なり、バゲットは誰でも購入可能な基本の食料で、バゲット1本4ユーロはフランスではとても設定できない価格だ。
また、フランスではパン屋は住民の敬愛の対象だ。毎朝早起きして町のみんなのためにパンを焼く仕事は決して楽ではないが、その分住民に一目置かれる職業なのだ。現在フランスには約3万3000軒のパン屋が存在するとされるが、そのうち何軒が2023年を切り抜けられるのか。憂慮する声は大きい。