付加価値税の減税、インフレ対策になるのか? イギリスで議論

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 イギリス首相の首席補佐官であるスティーブ・バークレー氏が、日本の消費税に当たる付加価値税(VAT)の減税を提案したと英大手紙タイムズが報じた。現在イギリスのインフレ率はこの40年で最高の9.1%に達している。VATを一時的に下げることでインフレ緩和が期待できるという同氏の主張だが、財務省は否定的な見方を示している。

◆主要な財源 過去には引き下げも
 VATは日用品やサービスに広く適用されている。財務省にとっては重要な財源となっており、2011-2022課税年度では1300億ポンド(約21兆円)以上が徴収されている。税収全体の約15%に上っており、国民所得の5.3%に相当する。(英ニュースサイト『ナショナル・ワールド』)

 ほとんどの場合が内税となっており、食品(一部を除く)や生理用品、子供服、新聞雑誌には適用されず、チャイルドシート、家庭の光熱費などは軽減税率の対象となっている。標準税率は2011年以来20%だが、金融危機後の不況時には一時的に15%まで引き下げられたこともあった。また、新型コロナウイルスのパンデミックによる需要減少への対応策として、接客業、観光業を対象に一時的に税率を5%にまで引き下げていた。(同)

Text by 山川 真智子