油田発見で南米最貧国から急成長 ガイアナは「呪い」を乗り越えられるか
南米大陸北東部にある小国ガイアナは、人口80万人弱の旧イギリス植民地で、かつては地域の最貧国の一つだった。しかし近年大規模な油田が発見され採掘が始まり、油田収入で驚異的な経済成長を遂げている。成長トレンドは続くと見られるが、急激な富の増加に懸念する声もある。
◆石油発見で一変 貧困国から2桁成長へ
ガイアナの変貌は2015年にエクソンモービルが同国の沿岸海域で大規模な油田を発見したことから始まった。国際関係に関する報道と専門的分析を行うワールド・ポリティックス・レビュー(WPR)によれば、現在ガイアナ沿岸には約100億バレルの石油が埋蔵されており、今後20年間で1300億ドル(約17兆円)がもたらされるとされる。2011年には人口の半数近くが1日6ドル(約780円)で生活していたが、順調にいけば2025年までに国内総生産が1000%増加する可能性があるという。
世界銀行によると、ガイアナの経済は原油生産の始まった2019年から2021年にかけて72.03%成長し、ラテンアメリカ・カリブ海地域で最大の成長率を記録した。実質GDP成長率は今年47.9%、2023年34.3%、2024年3.8%と予想されている。(カリビアン・ナショナル・ウィークリー紙、以下CNW)
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、各国がロシア産石油を避けて代替調達先の確保に動いているが、もしも侵攻が数年後であったなら、ガイアナは石油大国として間違いなく注目されていただろうとWPRは述べている。
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