中国のゼロオミクロン戦略、世界的なサプライチェーンの混乱を呼ぶ?
中国はこれまでコロナ感染の芽を早期に摘むことで感染者数を抑えることに成功し、2020年には主要国で唯一経済成長を遂げた。しかし、現在感染力の強いオミクロン株が主要都市で出現しており、首都北京でもついに感染が確認された。各国が封じ込めは困難として、ウイルスとの共存の道を模索しているのとは対照的に、中国は大規模な都市封鎖や移動制限で対応している。しかしこのゼロコロナ政策継続が、中国だけでなく世界の企業に大きな損失をもたらすのではないかと指摘されている。
◆コストが利益を上回る ゼロコロナに疑問符
ゴールドマン・サックスは、2022年の中国の経済成長率の予測を4.8%から4.3%に引き下げた。同社のアナリストは、オミクロンを封じ込めるための制限による経済的コストが高くなることを踏まえたものだとしている。モーガン・スタンレーは、ゼロコロナのコストが利点を上回る可能性があるとしており、4.9%とした第1四半期の成長率が、複数都市のロックダウンで4.2%に減速する可能性があるとしている。(CNN)
ムーディーズ・アナリティックスのシニアエコノミスト、カトリーナ・エル氏は、ゼロコロナ政策や港湾や工場の閉鎖の影響を考えると、混乱は大きくなるだろうとし、継続中のサプライチェーンへの圧力を増幅させるとしている。(CNBC)
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