ハワイ経済再開2段階目へ 訪問者受け入れプログラムも開始

ダニエル・K・イノウエ国際空港|Marco Garcia / AP Photo

 アメリカ本土では新型コロナウイルスの第2波が猛威を振るっている。とくに、ウイルス対策に消極的な姿勢を見せ続ける共和党支持州や激戦州で感染者が急増しており、大統領選でも新型コロナウイルス対策が最大の論争点となっている。

 ジョンズ・ホプキンス大学の統計によると、日本時間の27日午後12時の時点で、アメリカ全体の累計感染者数は870万2414人、死者数は22万5697人となっている。NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)によると、アメリカ国内で現在最も感染者数率が急増しているのは人口の少ない中西部州のノースダコタ州(83%)、2番目がサウスダコタ州(78%)そして3番目はモンタナ州(60%)という結果が出ている。

 アメリカ本土で感染者数が増加し続けるなか、一部の州では感染者の減少傾向が続いている。その1つがハワイ州だ。
 
◆感染者減少で経済再開、「第2段階」へ 
 筆者の居住するハワイ州では、3月下旬から厳しい「ステイ・アット・ホーム令」と外出時のマスク着用令、州訪問者に対する14日間の自主検疫令などが施行されたことで、4月に一時感染者が増えた後はすぐに状況が収束し、7月まではほとんど感染者が出ていなかった。しかし、7月中旬から8月下旬頃まで、夏休み時期に合わせて感染者が急増。その当時、ハワイへの渡航者には到着後14日間の自主検疫(隔離)が義務付けられていたものの、それを守らずに逮捕される人も多くいた。

 また、現地紙ホノルル・スターアドバタイザー(電子版)が8月から毎日公表している民族別感染者割合を見ると、ハワイ州全体の人口の4%でしかないミクロネシアやサモア、タヒチなどに代表される太平洋諸島出身者(アメリカ人でないことも多い)の感染率が過去2ヶ月間30%前後で移行していることから、一部地域で民族間クラスター感染が発生していた状況が容易に想像できる。

Text by 川島 実佳