「温泉も安全保障」の外資規制強化に、海外経済メディアの反応は?
5月8日に施行された改正外為法により、外国人投資家が国内の上場企業に出資する際の要件が厳格化された。これまで発行済株式の10%未満の取得に制限はなかったが、今後は1%以上を取得する場合に事前の届け出が必須となる。規制強化によって一部海外投資家の活動が大幅に制限されるほか、対象に温泉の運営企業が含まれるなど不可解な点があることから、海外投資家の当惑を招いている。
♦︎12のコア業種で規制強化
施行にあわせて財務省が公開したリストによると、強化された1%規制の対象となる企業は518銘柄に及ぶ。国家の安全保障上に関わる機密情報流出のリスクがとくに高い分野など、12のコア業種に属する企業が対象となる。コア業種に含まれるのは、武器、航空機、宇宙関連、原子力関連、軍事転用可能な汎用品の分類に属するすべての企業だ。これに加え、サイバーセキュリティ関連、電力業、ガス業、通信業、上水業、鉄道業、石油業のそれぞれ一部もコア業種に位置づけられる。
もっとも例外条項が設けられており、一定の条件を満たすことにより、海外投資家であっても包括的適用除外を受けることができる。ただしその条件には、役員に就任しないこと、株主総会でスピンオフを議題提案しないことなどが含まれており、アクティビスト(いわゆる物言う株主)の行動は大きく制限されることとなる。
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