日韓双方に痛手 輸出規制、不買運動……経済への影響 米メディアの視線
韓国を輸出管理上の優遇国、いわゆる「ホワイト国」から除外する政令が28日に施行された。7月には半導体材料3品目の輸出規制措置も発動した。韓国は報復として軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表するなど、日韓対立の深刻化が進む。両国の経済への影響をアメリカメディアが分析している。
◆ホワイト除外で韓国側に痛手
輸出管理で優位に扱う「ホワイト国」の指定から韓国が除外されたことにより、日本企業から韓国への輸出手続きに週単位あるいは月単位の時間を要する可能性が出てきた。集積回路、コンデンサ、コンピュータやロボット製品など、手続き厳格化の対象は1000品目以上に上るとされる。さらに、7月に強化された半導体材料の輸出規制について米ビジネスサイトの『クォーツ誌』は、「(同材料の)世界でもっとも重要な生産地である日本に重度に依存しているサムスン、(半導体製造の)SKハイニックス、LGディスプレイに、非常に大きな頭痛の種をもたらす」としている。
韓国半導体メーカーの混乱は、世界のサプライチェーンに影響を及ぼす可能性もある。米ブルームバーグは、「アップルのアイフォーンからデルのノートPCまで、あらゆるサプライチェーンを混乱させる可能性がある動き」だと指摘する。サムスンは調達元の多重化に動いたが市場の警戒心は強く、同社の株価は7月時点から約5%下落している。
ダメージは韓国金融市場にも響いている。記事は「日本の防衛関連株が上がる一方、ウォンは下げた」と紹介している。7月初旬以来、ウォンはドルに対して約5%下げるなど弱含みだ。また、株式市場にも不調が広がる。もともと米中の貿易戦争が世界経済を停滞させるのではと懸念されていたところへ、今回の対立がさらなる逆風となった。対立が先鋭化した7月上旬以降、韓国総合株価指数は約9%低下している。
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