東京五輪・パラ費用、3兆円に迫る 今後さらに膨らむ可能性も
2兆8100億円の約80%は国民からの税金である。残りの、およそ5989億円は民間からの資金提供による運営費である。これには、IOCから提供される1921億円や、スポンサー料やキャラクター商品やチケットの収益が含まれる。
東京大会組織委員会は、既存施設の活用やテスト大会の期間短縮、その他インフラ整備費の削減などにより、これまでの数年間で数千億円のコスト削減を行ってきたと話す。
トーマス・バッハIOC会長は9日、日本の会計院が大会費用をどのように仕訳けしようと、オリンピック本体には何ら影響を及ぼさないと述べた。
「我々がオリンピックとは無関係であるとするものを会計士がオリンピック関連経費に組み込むかもしれない。このような違いも受け入れなければならない」アルゼンチンで開催されているユース・オリンピックでの記者会見でバッハ会長は述べた。
IOCもまた、コスト節約に尽力してきた。表面下で膨らみ続ける開催経費は、オリンピック開催地として考えられる多くの候補地を尻込みさせてきた。特に冬季オリンピックで顕著だ。
2026年冬季オリンピックには、カルガリー(カナダ)、ストックホルム(スウェーデン)、ミラノ(イタリア)の3都市が現時点でも招致を検討しているが、他の候補地はすでに断念した。
6日から開かれたIOC総会において、韓国で開催された平昌冬季オリンピックの収支が、約62億円の黒字になることが報告された。一方で、地元自治体は使用されなくなった競技場の維持費に、数百万ドルの負担を余儀なくされていると苦情を訴えている。政府はこの費用負担を引き受けようとはしない。
使用されていない競技場をいくつか取り壊そうという話もある。
「経費削減を試みても容易にはいかない。けれども、他の超大型事業案件の比ではないが、いくらかの進展も見受けられる」とフライフヨルグ教授は述べた。
「都市や国にとって、オリンピックの開催を決定することは、既存の超大型事業の中でも最も財政的な犠牲、リスクの高いプロジェクトを引き受けることであり、これまで多くの都市や国がその危機的状況を経験してきた。一大事なのだ」
By STEPHEN WADE and MARI YAMAGUCHI, Associated Press
Translated by Mana Ishizuki