東京五輪・パラ費用、3兆円に迫る 今後さらに膨らむ可能性も
IOCと大会組織委員会は、これらオリンピック関連経費の項目は「大会の予算総額から除外される一般の管理費用」に仕訳けられていると異議を唱えた。
フライフヨルグ教授は、近年のオリンピック運営組織はコスト意識が高いと評価したが、大会までの期限が迫っていることが状況を困難にしている。他の大規模建築プロジェクトでは、数ヵ月単位の延期が可能であるが、オリンピックはそうではない。
教授はまた、複数の都市が同時に大会組織に関わり続けるのは効果的でないと述べた。
「この規模のプロジェクトは常に問題を抱えているものだが、問題が発生した時には、そのプロジェクトにどんどんお金を投じることしか講じる手段はない」
東京では、オリンピック予算が新たに増額されたことが、数日前に明るみになった。
会計検査院による178ページに及ぶ報告書は、国が負担する経費は、2017年12月に試算された1500億円から8010億円へと増加していたことを明らかにした。
これにより、経費総額は2兆8100億円となり、あと2年足らずとなったオリンピック開催の頃には3兆円に達する可能性もあることが示された。
さらに「2018年以降もオリンピックに向けて多額の出費が見込まれる」と報告された。
また検査院は報告書にて、大会組織委員会や東京都、日本政府、関連機関に対し、情報の透明性を高めることを強く求めた。
10月9日、AP通信に宛てられた文書において、大会組織委員会は、どの項目を「オリンピック関連経費」とするべきかについて再度、異議を唱えた。
広報担当の高谷正哲氏によると、「海外からの観光客招致や道路整備、水素エネルギー社会構築のための補助金、また高性能衛星を用いたより精巧な気象予報」などの費用は、オリンピック関連経費に組み込むべきではないという。
検査院からの報告は、大会組織委員会が予算から除外しているその他項目にも言及した。およそ6500億円に及ぶこの内訳には、既存建築物の改修費やセキュリティ対策費、ドーピング対策施設費が含まれる。
12月に大会組織委員会によって試算された予算は、「大会の運営に関連する全ての費用を反映するものではなかった」ことが示された。