中国融資の詳細が明らかに? パキスタンがIMFに支援要請
パキスタンのカーン首相は、国際通貨基金(IMF)に財政支援を求めることを決意した。経済成長を続けるパキスタンだが、輸入は輸出を上回る勢いで、対外債務の支払いも困難になり、引当金も底をつきそうなほど財政が悪化している。多くの債務が中国へのものだとされているが、その内訳は公表されていない。IMF側は債務の詳細を明らかにしない場合、救済は困難だとしており、アメリカも援助には慎重な姿勢を見せている。
◆友好国の援助引き出せず 渋々IMF行きを決断
パキスタンは前政権時代、高い経済成長を続けてきたが、その一方で高額な燃料や機器の輸入があった。経常収支の赤字は2016年前半より拡大し、外貨準備高も急減した。今のままでは、今年末までには輸出と対外債務の支払いもできなくなり、政府は即座に100億ドル(約1兆1200億円)を捻出する必要があると見られている(エコノミスト誌)。
実はパキスタンは過去にも十数回IMFの支援を受けている。8月に就任したカーン首相は、西洋の融資から卒業すべきだというのが持論で、IMFの救済を嫌ってきた。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)によれば、今回はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、中国といった友好国からの資金協力と、国債の発行で乗り切ることができると見ていたという。しかし、サウジアラビア、中国からは期待した返事は得られず、投資家のパニックにより株式市場は1日としては最大の下げを記録した。結局最後の砦であるIMFに支援を求めざるを得なくなったというのが実情だという(エコノミスト誌)。
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