ギリシャ、銀行からの現金引き出し制限を解除 約3年ぶり
ギリシャ当局者は9月27日、3年以上前に課せられた国内での現金引き出しに対する制約を数日以内に解除すると発表した。この制約は、国の債務危機が最悪の状態になった時、パニックに陥った預金者による銀行取り付け騒ぎを防ぐために課せられたものだ。
財務省によると、10月1日から預金者はギリシャ国内の銀行預金口座から無制限で現金を引き出せるようになるという。国外にいるギリシャ人は1ヶ月に最大5,000ユーロ(5,800ドル)まで現金を引き出せるようになる。さらに、海外へ持ち出すことのできる現金の上限も3,000ユーロから10,000ユーロへ増額される。
この一連の動きは、ギリシャの疲弊しきった経済が正常な状態を取り戻すための重要な要素として、ギリシャが正式に最終的な経済救済プログラムを終了した1ヶ月後に導入されるものだ。
2015年、預金者たちは口座残高がゼロになるまで現金を引き出そうとし、政府と救済を求める債権者の協議が崩壊寸前にまで追い込まれた。そして同年6月、銀行の破綻を防ぐために現金引き出しに対する制限が課せられた。
当初、口座名義人は1日に60ユーロ(70ドル)しか引き出すことを許可されていなかった。そしてもし引き出しの機会を逃してしまうと、さらにもう1日現金を手にすることができなかった。そのため、銀行のATMの前には店外まで続く長い待ち行列ができた。一部の銀行は、制限が課せられた最初の数日間はいらいらを募らせる顧客のために飲み物を提供するほどだった。
1ヶ月に引き出すことができる現金の総額がおよそ1,800ユーロだった制限は徐々に緩和され、5月には5,000ユーロまで引き出せるようになった。
財務省は、資本規制を「一刻も早く」完全に終了することを狙っての規制緩和だと述べた。
ギリシャは、主要な財務上の数値を偽って公表していた。そのため信用格付けが繰り返し格下げされ、個人投資家が手頃なレートで国家に資本を貸し付けることを拒否した結果、2010年にギリシャは国際的な救済ローンの導入を余儀なくされた。
ギリシャは合計およそ2,900億ユーロ(3,400億ドル)となる3種類の救済措置を連続して受け入れた。その代償として、政府は厳しく国民の収入を削減し、増税を実施し、経済改革を進めた。しかし、そのような削減が経済を荒廃させ、救済措置を講じる数年の間に国の経済価値のおよそ4分の1を失うこととなった。
経済救済プログラムは8月21日に終了したにもかかわらず、依然として緊縮政策は施行されており、20%をわずかに下回る程度の失業率は欧州連合各国の中でも最も高く、ギリシャの信用格付けは投資適格指標を大幅に下回っている。これは、ギリシャが債券を個人投資家に売却する際、高い利子を支払う義務があることを意味している。
9月20日の時点で、ギリシャの10年債の利回りは4%を少し上回った。一方でドイツの10年債の利回りは0.5%だった。
ギリシャの財政は、依然としてヨーロッパ各国の債権者たちや国際通貨基金の厳しい監視の対象となっており、四半期ごとに進捗報告が発表される。もし経済回復が好ましい状況であれば、ギリシャはヨーロッパ各国の債権者たちが保有する同国の債権が生み出す利益によって、今後4年間で48億ユーロを獲得できる見通しだ。
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