1~3月期GDP上方修正 エコノミストの予想を上回る “輝かしい数字”と海外メディアも報道

 内閣府は9日、1~3月期のGDPが前期比1.6%増(物価調整後年率6.7%)であったと発表した。以前の速報の1.5%増からは上方修正となる。各紙のエコノミスト調査では、むしろ下方修正されるものと予期されていた。

【駆け込み設備投資?】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、需要低迷と低インフレにより年1.0%増にもならなかったユーロ圏や、寒波で1.0%縮小したアメリカとは対照的な、輝かしい数字だと報じている。

 この時期の大幅なGDP増について、各紙は消費税増税前の駆け込み需要を指摘しているが、個人消費よりも企業の設備投資の伸びが予想以上に大きかったようだ。ブルームバーグは、個人消費が当初推計の前期比2.1%増から2.2%に上方修正されたのに対し、設備投資は4.9%増から7.6%増へ改訂されたと報じている。

 しかし増税実施後、需要は鎮まり、4月の小売売上高は前年同期比4.4%減であった。メーカーも生産を削減した。各紙は今四半期、GDPは年率3.5%あるいは4%の縮小に転じる予想だと報じている。

【10%増税までに成長再開はどこまで行くか】
 上方修正されたのはその駆け込み需要期の数字なのだが、ブルームバーグは次四半期からとみられる成長再開に、設備投資の強さが貢献すると主張している。そして安倍政権の仕事は回復の勢いを確保して、来年予定の再増税を乗り切ることだという。

 BBCの引用した専門家も、企業景況感が改善しているため、どんな弱さも短命に終わると楽観的だ。

 一方ウォール紙は、需要反動が想定の範囲内に収まっていると言って政府・日銀が追加刺激策を否定していることに、懸念があるようだ。同紙は「日本の政策論争の焦点は、経済がどれだけ迅速にスランプを脱するか、着実な回復を確実にするために政府・日銀が刺激策を増強するかどうかにある」と書いている。

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Text by NewSphere 編集部