消費増税で、マイナス8%成長の可能性も!? 海外紙が警鐘
17日発表された10~12月GDPは、前期比0.3%(年率1.0%)増で、4四半期連続の成長となった。しかし年率3%前後の成長が予想されていたのに対し、期待外れと言えた。
GDPが伸び悩んだ主因は貿易赤字で、輸出が前期比0.4%増に対し輸入は3.5%増であった。これも予想ほどではなかった0.5%増の個人消費など、内需がどうにかプラス成長を支えているが、4月の消費税増税による冷え込みが懸念されている。
【貿易赤字は悪いことばかりではない?】
輸入については、円安傾向によりエネルギー輸入コストが膨れ、財・サービス輸入全体の15%を占めるに至っている。それにもかかわらず輸出は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙によれば新興国経済の減速の影響で、伸び悩んでいる。
それでも円安で利ざやが膨れたことから、輸出業者はトヨタ自動車などが過去最高益を記録する勢いだ。だが輸出業者の生産拠点が海外に移っているため、日本で購入される製品であっても輸入品になり、輸出ではなく輸入の伸びに寄与したとも指摘されている。
これは計算上、輸入が大きいとGDP数値が実際より弱く見えるということであって、そうした(逆)輸入品が売れるだけの内需がある分、今はそこまで心配はいらないと楽観視する専門家もいる。それによれば日本が輸入を増やすことは「活力を欠く他の世界経済にとっては歓迎すべきニュース」であり、日本は消費税増税前の駆け込み需要がいよいよ本格化する今四半期に、年率6.0%の成長を記録するだろうという。
【問題は消費税、さらに第二波も控える】
しかしこの専門家は、消費税増税後、消耗した消費者が再び財布を閉じることで、一挙に年率8.0%のマイナス成長に転落すると見ている。
ニューヨーク・タイムズ紙は、政府は5.5兆円の景気刺激策で増税の影響を緩和できると言っているが、待望されている構造改革はいまだ実体化しておらず、経済成長が大規模政府支出頼みになることを心配する声もあると懸念する。さらに今年安倍政権は、来年10月に10%への、2段階目の増税を行うかどうかの決断も迫られる。
同紙によれば、日本は経済成長と、巨大な債務による財政不安を払拭することの二兎を追わねばならない苦しい立場にあることは確かだが、「増税はタイミングが悪かった」。ただでさえ日本人は賃金が伸びていないのにコストが上昇して悪戦苦闘しているのだ、という。