アベノミクスは「買い」の4つの理由 海外投資家が分析
ウォール・ストリート・ジャーナル紙のまとめによると、8日時点で発表されている東証一部企業の第3四半期税引前利益は、前年同期比52%増となった(前期は49%増)。売上は12%増(前期は7.9%増)。業績を発表している企業の約29%は業績予想に上方修正を出しており、日本は成長市場であるとの見方が強まっているという。
しかし、この勢いがいつまで続くのかは不透明だとも警告されている。
【3ヶ月や半年は存分に暴れるがその先は保証できない】
日経平均は今年約40%、円安を調整してもまだ約23%上げとなっている。ビジネスインサイダーのコラムは日本株が上がる4つの理由として、現在の経済成長率の高さ、積極的な金融政策、いまだ株価が簿価の1.5倍程度と割安なこと(米国株と比べると約4割引)、日本企業の収益性が高いため自社株買いという配当手段もとれること、を挙げている。
著者ロス・コステリック氏は、あと3ヶ月~6ヶ月はまだ「上向きポテンシャル」があり、投資家が円安をヘッジできる場合は特に、短期的機会があると述べている。
しかしその先は不透明で、日本が一時的株高だけでなく長年の停滞を逃れたいなら、規制緩和や女性参入により、生産性と労働力の問題を解決する必要があると警告する。
【外的要因による部分】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙の別の記事も、10月の海外投資家による日本株取引が正味7102億円の買いとなったことを挙げ、アベノミクスが輸出業者を助けた恩恵だとしている。来年4月に消費税増税が予定されてはいるが、やはり投資家らによると、日本経済は今後数ヶ月間は回復軌道を維持するという。
しかし、「新興国からの需要減」が円安の好影響を相殺したため、第3四半期に予想以上の結果を報告した企業は少ない、とも同紙は述べている。新興市場は米連邦準備制度理事会の量的緩和で支えられているが、むしろ実際に米国経済が回復することによって量的緩和の縮小が可能となり、米国債利上げと円安ドル高が日本の輸出業者への追い風となることに、投資家らは注目しているとのことである。
8日発表の米国雇用データは好調で、そのためドルは上がり、11日の日本株も1.3%上がったと報じられている。