映画『ワイルド・スピード』撮影中に死亡した俳優の素顔を振り返る

映画『ワイルド・スピード』撮影中に死亡した俳優の素顔を振り返る

ParabolStudio / Shutterstock.com

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激しいカーアクションで人気の映画『ワイルド・スピード』で、シリーズ1作目~7作目まで主演を務めた俳優のポール・ウォーカー。ポールは映画の撮影期間中の2013年に、不慮の事故に遭い死亡した。

本記事では、ポール・ウォーカーの経歴や、プライベートで見せた父としての姿など、彼が生きた軌跡を辿っていく。遺作となった映画『ワイルド・スピード』を観るきっかけになれば幸いだ。

ポール・ウォーカーのプロフィール

映画『ワイルド・スピード』で主人公ブライアンを演じた、ポール・ウォーカーについて紹介する。

名前ポール・ウィリアム・ポーカー
(Paul William Walker)
出身地アメリカ合衆国カリフォルニア州
身長188cm
生年月日1973年9月12日
没年月日2013年11月30日
職業俳優
SNSInstagram:@paulwalker

モデルの母とアマチュアボクサーの父のもとに生まれたポールは、2歳の頃からモデルを始め、数々のメディアに出演していた。高校時代には俳優活動も開始し、学業と俳優業のバランスを取りながら徐々に活躍の機会を広げていった。

俳優として世間から注目されたのは、90年代後半に公開された映画『カラー・オブ・ハート』や『バーシティ・ブルース』で、甘いルックスで若者たちから人気を集めた。

プライベートでは1998年に一般人のレベッカ・ソテラスという女性と交際していたが、娘のメドウが誕生する前に破局。当初はレベッカがメドウを育てていたが、途中からポールがメドウを引き取り、同居をしていたようだ。2006年から17歳年下の女性と交際をしていたポールだが、結婚には至らなかったため、ポールは生涯独身だったことになる。

多彩な出演作品

ポールの代表作といえば『ワイルド・スピード』シリーズだが、映画デビューは1986年公開の『モンスター・イン・ザ・クローゼット 暗闇の悪魔』で、彼が13歳のときだった。ポールの歴代出演作品のなかで、評価が高かった作品や主演を務めた作品をいくつか紹介する。

公開年映画作品名備考
1987年モンスター・イン・ザ・クローゼット暗闇の悪魔デビュー作
1994年Tammy and the T-Rex主演
1998年カラー・オブ・ハート
1999年バーシティ・ブルース
2001年ワイルド・スピード主演
2003年ワイルド・スピードX2主演
2006年ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT主演
父親たちの星条旗
2009年ワイルド・スピード MAX主演
2011年ワイルド・スピード MEGA MAX主演
2013年ワイルド・スピード EURO MISSION主演
スティーラーズ製作・出演
2015年ワイルド・スピード SKY MISSION主演・遺作

ポールはさわやかなスポーツマンや軍曹、激しいアクションをこなすFBIなど、幅広い役柄を演じてきた。とくに代表作である『ワイルド・スピード』シリーズでは、凄腕ドライバーとして巧みな運転技術を披露し、作品を大ヒットへと導いたことで一躍有名になった。

恵まれた容姿と高い演技力で、多くのファンを魅了してきた人気俳優のポール。彼の関連作品は上記以外にも20作品以上あるため、気になる人はぜひチェックしてほしい。

大のクルマ好きとして有名

多くの名車が登場する『ワイルド・スピード』に主演したポールは、役柄だけでなく、プライベートでも愛車家だったことで有名である。カーレーサーのロジャー・ロダスと共有していたガレージでは、日本車をはじめ、クラシックカーや高級外車など、数多くの車が1台1台大切に保管されていた。

車好きのハリウッドスターというと、何千万円もするような高級外車をコレクションするイメージだが、ポールらの車は、メーカーを問わずスポーツカーモデルのものが多い。特に映画にも度々登場する日産GT-Rやスカイラインは、ポールのお気に入りでプライベートでも乗っていたという。ステータスのためではなく、クルマで走るのが何より好きだったことが伝わってくる。

事故後、ポールらが所有していた車の多くはオークションにかけられ、ファンやカーマニアによって高値で落札された。新しいオーナーとともに、いまも世界のどこかを走っているのかもしれない。

大切な愛娘メドウ・ウォーカーの現在

先述したように、ポールには愛娘のメドウ・ウォーカーがいた。ここではメドウのプロフィールと現在の様子について紹介する。

名前メドウ・ウォーカー
(Meadow Walker)
生年月日1998年11月4日
出身地アメリカ合衆国カリフォルニア州
職業俳優・モデル
SNSInstagram:@meadowwalker

幼少期に母親とハワイで過ごしたメドウは、男の子顔負けの活発な少女だったという。2011年からアメリカでメドウを引き取ったポールは、当時の心境をこう語った。

「娘と四六時中一緒にいるけど、最高のパートナーだよ。とってもクレイジーで、こんなこと人生初めてだよ!」

米Entertainment Weekly誌

同居からわずか2年ほどで最愛の父と死別したメドウは、ポールの遺産で慈善団体「ポール・ウォーカー財団」を設立。コロナ禍ではフードバンク団体と協力し、子どもの食事を支援する活動を続けた。

その後メドウは19歳のころにモデル業を始める。現在も有名ブランドの広告コレクションショーを務める人気モデルだ。

ポールの死後も『ワイルド・スピード』の仲間との交流は続いており、メドウの結婚式にはキャストらが参列。最新作の映画『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』ではカメオ出演を果たした。

映画『ワイルド・スピード』撮影中の悲劇|ポール・ウォーカーの死亡事故

映画『ワイルド・スピード』撮影中の悲劇|ポール・ウォーカーの死亡事故

Maciej Bledowski / Shutterstock.com

映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』の撮影中盤だった2013年11月30日、自身が運営する団体のチャリティーイベントの帰り道、ポールは交通事故で帰らぬ人となった。

ポールとその友人を乗せた車は、その日45マイル(時速約72キロ)制限の道を、100マイル(時速約160キロ)以上の速度超過で走行していたとみられる。そして運転していた友人が何らかの原因でハンドル操作を誤り、道路脇の木や街灯に衝突し炎上。死亡解剖の結果、ポールとその友人からはアルコールやドラッグの検出はされず、ポールの死因は外傷と火傷であることが判明した。

ポールの悲しすぎる死を受け入れられない遺族は、当時彼らが乗っていたポルシェに対し、車両に欠陥があったと訴えたが、その後の調査でメーカー側の不備は認められず敗訴となった。

主人公ブライアンの代役を務めたのはポール・ウォーカーの弟

主人公ブライアンの代役を務めたのはポール・ウォーカーの弟

Kathy Hutchins / Shutterstock.com

事故後、映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』でポールが演じていた主人公ブライアンの代役は、ポールの実の弟2人が務めた。

以前からポールにそっくりといわれていたのが、4歳下の弟ケイレブ・ウォーカーと、15歳下の弟コディ・ウォーカーだ。ポールの代わりにアクションシーンを演じた2人とCG技術によって、一時中断していた撮影は無事に終了し、2015年4月に待望の公開となった。

映画『ワイルド・スピード』9作目ではスタントマンの重大事故も

ポールの悲劇の事故はプライベートで起きたものだが、映画『ワイルド・スピード』の実際の撮影現場でも危険なシーンはあるようだ。

9作目となる『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の撮影中のこと。高所から車ごと飛び降りるシーンで、車を支えていたワイヤーが突然切れてしまい、運転していたスタントマンが頭に重傷を負って救急搬送されたという。現場は騒然とし、撮影は一時中断となった。

リアルで激しいカーアクションシーンが見どころの『ワイルド・スピード』だが、出演者やスタッフの安全面も気になるところだ。

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出典:U-NEXT

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映画『ワイルド・スピード』撮影中に死亡した主演俳優をいつまでも忘れない

ポール・ウォーカーの死は非常に辛いが、映画の中で彼は永遠に輝き、生き続ける。

今後も映画『ワイルド・スピード』の続編を期待するとともに、スタッフを含むすべての俳優たちが安全に撮影できることを願うばかりだ。

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Text by NewSphere 編集部