ブライアン・オコナー|『ワイルド・スピード』のもう一人の主役
大人気カーアクション映画『ワイルド・スピード』シリーズの人気キャラクター、ブライアン・オコナー。主人公ドミニク・トレットの相棒であり常に物語を彩り続けた彼は、ブライアンを演じる俳優ポール・ウォーカーの悲劇的な死によって物語の主軸から姿を消した。しかしストーリーの中でブライアンは生き続け、今もなおファンの間で根強い人気を誇っている。
本記事では『ワイルド・スピード』最終章の開幕とともに、ファンが熱望するブライアン・オコナーの再登場の可能性について探る。
目次
待望の『ワイルド・スピード』最終章開幕!
2023年5月19日、大人気カーアクション映画シリーズ『ワイルド・スピード』の最終章第一弾となる新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』がついに公開された。「The Fast Saga」とも総称される『ワイルド・スピード』のフィナーレを飾る最終章は、当初から二部構成になるとされており、今作はその一作目にあたる。
2001年に公開された第一作『ワイルド・スピード』にはじまり、スピンオフ作品も加えると、これまでに公開された作品は全部で10作品。20年以上にわたり紡がれた壮大なワイスピサーガのフィナーレが近づくとともに、ファンの間ではさまざまな憶測と期待が交差している。
ファン待望の「あの人」ブライアン・オコナーの行方
『ワイルド・スピード』シリーズが最終章へと突入し、全世界のファンが物語の結末とともに注目しているのが、「ブライアン・オコナー」の存在だ。
かつてポール・ウォーカーが演じたブライアンは、ヴィン・ディーゼル演じるドミニク・トレットと並ぶもう一人の主人公として、独自の魅力を発揮しシリーズをけん引してきた。
しかし2013年にポールが交通事故で亡くなったことにより、ブライアンの運命も変わった。ポールの遺作となった『ワイルド・スピード SKY MISSION』のラストでは、ドミニクと袂を分かったものの、ブライアンは生きているものとして締めくくられている。
その後の作品でもブライアンの存在は時折ストーリー中で言及され、彼の存在はシリーズ全体に影響を与え続けた。
今回の最終章では全世界のファンが、ブライアン・オコナーが作中でどのように扱われるかについて、高まる期待とともに固唾を飲んで見守っている。
ブライアン・オコナーの軌跡
ここで、ブライアン・オコナーの経歴を簡単に紹介する。
初登場『ワイルド・スピード』から『ワイルド・スピード MAX』まで
ブライアン・オコナーの物語は、2001年の初代『ワイルド・スピード』から始まる。最初はストリートレースの世界に潜入した警官として登場したブライアンは、ドミニク・トレットとの出会いをきっかけに人生が大きく変わることになった。ドミニクと友情を育み、彼の妹ミアと恋仲になった結果、ブライアンは警察を離れ、ストリートレーサーとして生きることを選ぶ。
『ワイルド・スピード X3 TOKYO DRIFT』では出番がなかったものの、『ワイルド・スピード MAX』では再び警察に戻り、ドミニクを助けるために活躍する。この作品では彼のキャラクターがさらに深みを増し、ドミニクとの絆が揺るぎないものになる過程が描かれた。
最後の作品『ワイルド・スピード SKY MISSION』
ポール・ウォーカー演じるブライアンが登場する最後の映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』は、彼が家族のために危険な任務から離れることを決意する感動的な瞬間で幕を閉じている。この彼の決断は、『ワイルド・スピード』シリーズの中心テーマである「家族」への強いメッセージとなった。
ブライアン・オコナーは、ストーリー中のただの1キャラクターではない。この元ロス市警の警官がシリーズに与えた影響は計り知れないものがあり、シリーズの核心部分を象徴しているといえる。
『ファイヤーブースト』でのブライアンはアーカイブ出演のみ
シリーズの象徴的存在であるブライアン・オコナー役のポール・ウォーカーが交通事故で亡くなった後も、映画『ワイルド・スピード』シリーズは彼のレガシーを尊重し、ブライアンのキャラクターを生き続けさせる選択をした。
前述したように、『ワイルド・スピード SKY MISSION』の劇中で、ブライアンが家族とともにレーサーの生活から引退し、メインの舞台から去っていく姿が描かれている。
今回公開された最新作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』では、ファンの期待に完全に応える形ではないものの、過去作のアーカイブ映像によりブライアンが登場した。
これは、ブライアン・オコナーの精神と影響力が今もなお、シリーズ全体を通じて続いていることを明確に示している。
ブライアンなくしてワイスピサーガは終わらない
俳優ポール・ウォーカーの死後も、ブライアン・オコナーがシリーズから完全に消えることはなかった。シリーズの製作に携わるスタッフ陣およびキャスト達は、ブライアンの存在に対し最大限の敬意を払いつつ、控えめに存続させてきた。
ブライアンのキャラクターは、ポールが築き上げた精神に基づき今も生き続け、最新作に至るまでシリーズの中心的テーマである「家族」の象徴となっている。
『ワイルド・スピード』シリーズの魅力は、ド派手で圧倒的なカーアクションと、自由と友情、そして家族をテーマにしたストーリーテリングにある。
テーマを象徴するブライアンの存在は、主人公ドミニクと同じくらい重要なものだ。彼の存在なしに、この壮大なストーリーを描ききることは難しいといえるだろう。
ブライアン・オコナー、再登場の可能性は?
ドミニクとブライアンが別々の道を歩き出した7作目以降も、シリーズ中では彼が生きて存在していることを示唆する演出がいくつか見られた。
8作目ではピンチに陥ったローマンとレティがブライアンの名を口にするシーン。9作目ではブライアンの愛車である青いスカイラインGT-Rが、ファミリーが集う場に向かうシーンがある。
最新作ではアーカイブ出演にとどまったブライアンだが、物語のフィナーレに向け、次回作以降に再登場する可能性はあるのだろうか? 彼の存在がシリーズにどのように影響を与えるのか、世界中のワイスピファンがその答えを待ち望んでいる。
新作公開に先立ち、主人公ドミニクを演じるヴィン・ディーゼルや、ルイ・レテリエ監督からブライアンの再登場を匂わせるコメントが出ていたことも、ファンの期待に拍車をかけている。
「何もネタバレすることなくこれをお伝えします。ブライアン・オコナーに本当に別れを告げずにこの物語が終わるなんて想像できませんでした」
ヴィン・ディーゼル/Total Filmインタビューより
「ブライアンは、『ワイルド・スピード』の世界では生きていて、これまでの映画でも彼の存在が何度も仄めかされています。第9作では車が来るのが見えます。それは計画されているものです」
ルイ・レテリエ監督/Total Filmインタビューより
ブライアンはどのような形で再登場するのか
撮影中にブライアン役のポールが事故死した『ワイルド・スピード SKY MISSION』では、ポールの2人の弟を代役に起用し、CG合成でポールの顔を投影する手法でブライアンの姿を復元した。さらに技術が進化した今なら、再びCG合成を用いて自然な形でブライアンを劇中に登場させることが可能だろう。
当時代役を務めたポールの弟たちも、劇中にブライアンをデジタル復活させることに対して意欲的な姿勢を見せていた時期がある。
しかしルイ・レテリエ監督は、Total Filmのインタビューに対し、過去の映像以外でブライアンを復活させるアイデアを否定する発言をしている。
「この映画は過去と現在を行き来して、観客は過去の映像でブライアンを目にしますが、現在でブライアンを見ることはありません。それは、皆さんが納得しなければならないことなのです」
ルイ・レテリエ監督/Total Filmインタビューより
ファミリーの危機に駆けつけるブライアンに期待!
「現在のブライアンを見ることはない」と語られているように、監督はブライアンをデジタル技術によって登場させるアイデアは否定している。しかし、これまでブライアンの存在をそこかしこに感じさせてきたストーリー展開から、再びブライアンにスポットライトが当てられる可能性はありそうだ。
最終章の幕開けとなる『ファイヤーブースト』は、ファミリーがいまだかつてないピンチに陥るクリフハンガーで幕を閉じた。ドミニク・ファミリーでのブライアンのポジションを考えると、ファミリーが絶体絶命の状況にあるなかでブライアンが現れないのはストーリー的にも不自然だ。当初二部構成で完結するとされていたワイスピ最終章だが、ヴィンの口から三部作になる可能性も示唆されている。
果たしてブライアンの復活は実現するのか。彼が帰ってくるとしたら、いつ、どのタイミングなのか。ワイスピファンにとっては今後も目が離せない状態が続きそうだ。
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