グラミー賞2023の受賞結果を発表 日本人ノミネートの結果紹介
2023年2月5日にロサンゼルスで開催されたグラミー賞の授賞式。主要4部門では受賞者がすべて異なる結果となり、注目されていたビヨンセとアデルの受賞は叶わなかった。今回は、グラミー賞2023の受賞結果一覧、ノミネートされた日本人とその結果を紹介する。
目次
グラミー賞2023の受賞結果一覧
グラミー賞2023の授賞式は、2023年2月5日にロサンゼルスにあるクリプトドットコム・アリーナで開催。授賞式の模様は、日本時間の2月6日午前8時からWOWOWで独占生中継された。
ここでは、グラミー賞2023の主な受賞結果を一覧にして紹介する。
主要4部門
主要4部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
レコード賞 | リゾ | About Damn Time |
楽曲賞 | ボニー・レイット | Just Like That |
アルバム賞 | ハリー・スタイルズ | Harry’s House |
新人賞 | サマラ・ジョイ | ‐ |
主要4部門ではビヨンセとアデルが新人賞以外の3部門でノミネートされており、どちらが多くの賞を得るか注目されていた。しかし、2人とも主要部門で最優秀賞を獲得できなかった。
ポップ・ミュージック部門
ポップ・ミュージックとは、リズミカルで親しみやすい曲調の音楽のことである。ポップ・ミュージック部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
ポップ・グループ賞 | サム・スミス&キム・ペトラス | Unholy |
ポップ・ソロ賞 | アデル | Easy On Me |
伝統的ポップ・アルバム賞 | マイケル・ブーブレ | Higher |
ポップ・アルバム賞 | ハリー・スタイルズ | Harry’s House |
韓国グループのBTSがノミネートされていたが、受賞には至らなかった。
R&B部門
R&Bはリズムアンドブルースの略で、黒人音楽であるブルース・ゴスペルから発展した音楽のことである。R&B部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
R&B・パフォーマンス賞 | マニー・ロング | Hrs&Hrs |
R&B楽曲賞 | ビヨンセ | CUFF IT |
伝統的R&B・パフォーマンス賞 | ビヨンセ | PLASTIC OFF THE SOFA |
プログレッシブR&B・アルバム賞 | スティーブ・レイシー | Gemini Rights |
R&Bアルバム賞 | ロバート・グラスパー | Black Radio III |
2部門で受賞となったビヨンセはグラミー賞全体で9部門ノミネートされており、今年度最多ノミネーションを獲得している。
ロック・メタル部門
ロックとはドラム・ベース・エレキギターで構成される音楽のことで、メタルはロックをさらに激しくし、低音を使うのが特徴である。
ロック・メタル部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
ロック・パフォーマンス賞 | ブランディ・カーライル | Broken Horses |
ロック楽曲賞 | ブランディ・カーライル | Broken Horses |
ロック・アルバム賞 | オジー・オズボーン | Patient Number 9 |
メタル・パフォーマンス賞 | オジー・オズボーン ft. トニー・アイオミ | Degradation Rules |
2部門を受賞したブランディ・カーライルは、アデルと並ぶ7部門でノミネートされた。また2019年にはその年の最多6部門でノミネートされており、そのうち3部門(アメリカン・アルバム、アメリカン・ルーツ・パフォーマンス、アメリカン・ルーツ・パフォーマンス)で最優秀賞を受賞している。
ラップ部門
ラップとはビートにのせて喋るようにリズミカルに歌う独特の歌唱法のことである。ラップ部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
ラップ・パフォーマンス賞 | ケンドリック・ラマー | The Heart Part 5 |
ラップ楽曲賞 | ケンドリック・ラマー | The Heart Part 5 |
旋律ラップ・パフォーマンス賞 | フューチャー ft. ドレイク&テムズ | WAIT FOR U |
ラップ・アルバム賞 | ケンドリック・ラマー | Mr. Morale&The Big Steppers |
3部門で受賞したケンドリック・ラマーは、メッセージ性と社会性の高い情緒に満ちたラップが特徴となっている。
カントリー部門
カントリー・ミュージックは、アメリカ南部発祥のストーリー性のある歌詞が特徴の音楽である。カントリー部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
カントリー・グループ・パフォーマンス賞 | カーリー・ピアース&アシュリー・マクブライド | Never Wanted To Be That Girl |
カントリー・ソロ・パフォーマンス賞 | ウィリー・ネルソン | Live Forever |
カントリー・楽曲賞 | コーディ・ジョンソン | ‘Til You Can’t |
カントリー・アルバム賞 | ウィリー・ネルソン | A Beautiful Time |
2部門を受賞したウィリー・ネルソンは、受賞時89歳の大ベテランアーティストだ。
ダンス・エレクトロニック部門
ダンス・エレクトロニック部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
ダンス・レコーディング賞 | ビヨンセ | BREAK MY SOUL |
ダンス・アルバム賞 | ビヨンセ | Renaissance |
ビヨンセがレコード賞とアルバム賞を受賞。R&B部門と合わせて4部門で受賞したことで、グラミー賞史上最多の32冠を達成し、歴代最多記録を樹立した。
オルタナティブ部門
オルタナティブ・ミュージックとは、流行している商業音楽と異なり、挑戦的で欲望のままにつくられた音楽のことである。オルタナティブ部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
オルタナティブ・ミュージック・パフォーマンス賞 | ウェット・レッグ | Chaise Longue |
オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞 | ウェット・レッグ | Wet Leg |
2部門を受賞したウェット・レッグは、刺激的な歌詞が特徴的な女性2人組のバンドだ。
グローバル音楽部門
グローバル音楽とは、地域独自の楽器を使用して演奏する民俗・伝統音楽のことである。グローバル音楽部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
グローバル音楽・アルバム賞 | 宅見将典(マサ・タクミ) | Sakura |
グローバル音楽パフォーマンス賞 | ウーター・ケラーマン&ゼイクス・バントウィニ&ノムセボ・ジコデ | Bayethe |
宅見将典が「Sakura」で日本人初受賞を果たした。なお、過去にはアフリカ音楽や中南米音楽が受賞している。
ジャズ部門
ジャズは黒人の民俗音楽とヨーロッパの音楽が融合して生まれたもので、スウィングするリズムが特徴的な音楽だ。ジャズ部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。なお、ほかにも部門があるが、ここでは代表的な3つを紹介する。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
ジャズ楽器アルバム賞 | テリ・リン・キャリントン、クリス・デービス、リンダ・オー、ニコラス・ペイトン、マシュー・スティーブンス | New Standards Vol. 1 |
ジャズ即興ソロ賞 | ウェイン・ショーター&レオ・ヘノベゼ | Endangered Species |
ジャズ歌唱アルバム賞 | サマラ・ジョイ | Linger Awhile |
新人賞を受賞したサマラ・ジョイが、ジャズ歌唱アルバム賞を受賞している。
クラシック部門
クラシック部門は1959年から続く歴史ある部門である。クラシック部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。なお、クラシック部門は全部で8つあるが、ここでは代表的な2つを紹介する。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
クラシック独奏賞 | タイム・フォー・スリー | Letters For The Future |
オーケストラ演奏賞 | ニューヨーク・ユース・シンフォニー | Works By Florence Price、Jessie Montgomery、Valerie Coleman |
クラシック独奏賞では日本人ピアニストの内田光子がノミネートされたが、受賞は叶わなかった。
ラテン部門
ラテン・ミュージックとは中南米で発展した音楽で、コンガやボンゴといった打楽器を使用しているのが特徴的な音楽のことである。ラテン部門に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。なお、ラテン部門は全部で5つあるが、ここでは代表的な2つを紹介する。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
ラテン・ポップ・アルバム賞 | ルーベン・ブラデス&ボカ・リブレ | Pasieros |
ラテン・アーバン・アルバム賞 | バッド・バニー | Un Verano Sin Ti |
バッド・バニーは日本好きなのか、2021年に与那国島の名を冠した楽曲「Yonaguni」をリリースしている。
その他部門
その他部門(レゲエ・ゴスペル・器楽曲など8部門)に選ばれた受賞者と受賞曲は以下のとおり。ほかにも多数の部門があるが、ここでは代表的な部門に絞って紹介する。
部門 | 受賞者 | 受賞曲 |
レゲエ・アルバム賞 | カバカ・ピラミッド | The Kalling |
ニュー・エイジ・アルバム賞 | ホワイト・サン | Mystic Mirror |
ゴスペル賞 | マーベリック・シティ・ミュージック&カーク・フランクリン | Kingdom |
フォーク・アルバム賞 | マディソン・カニンガム | Revealer |
伝統的ブルース・アルバム賞 | タジ・マハール&ライ・クーダー | Get On Board |
アメリカン・ルーツ・パフォーマンス賞 | アーロン・ネヴィル&ダーティー・ダズン・ブラス・バンド | Stompin’ Ground |
器楽曲アルバム賞 | スナーキー・パピー | Empire Central |
音楽ビデオ賞 | テイラー・スウィフト | All Too Well |
器楽曲アルバム賞を受賞したバンド「スナーキー・パピー」には、日本人パーカッショニストの小川慶太が参加している。
グラミー賞2023でノミネートされた日本人
グラミー賞2023でノミネートされた日本人は、宅見将典・小川慶太・内田光子の3人。そのうち宅見将典・小川慶太の2人が最優秀賞を受賞した。
宅見将典は西城秀樹の甥にあたる人物で、作編曲家として国内外のアーティストに楽曲提供をしている。箏や三味線といった日本の伝統楽器と、アメリカのヒップホップを組み合わせた「Sakura」で受賞を果たした。
小川慶太は長崎県出身のパーカッショニストで、「スナーキー・パピー」の参加メンバーとして受賞した。
内田光子はクラシック独奏賞でノミネートされたピアニスト。ノミネートは今回で7回目で、過去に2度最優秀賞を受賞している。
グラミー賞2023は予想と異なる波乱の結果に
グラミー賞2023では主要4部門でビヨンセとアデルの対決が注目されていたものの、2人ともいずれの賞でも最優秀賞を獲得できないという波乱の結果となった。とはいえビヨンセはグラミー賞史上最多の32冠を達成し、歴代最多記録を樹立している。来年さらに記録を更新するのか、期待が高まるばかりである。日本人のさらなる活躍にも期待したい。
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