W杯逃すのは当たり前? イタリアサッカー低迷を招く構造問題

対ボスニア・ヘルツェゴビナ戦のPK戦時のイタリア選手たち(3月31日)|Armin Durgut / AP Photo

 1度目は単なる「不慮の事故」だと思われた。2度目は「危機」として受け止められた。そして今、イタリアが3大会連続でワールドカップ出場を逃したことで、かつて誇り高かったサッカー大国にとって、予選敗退はほぼ「当たり前」の事態となっている。

 4度の優勝を誇る同国は今回、予選プレーオフでFIFAランキング66位のボスニア・ヘルツェゴビナにPK戦の末に敗れた。アズーリ(イタリア代表の愛称)が同じプレーオフのステージで敗退するのは、2018年大会予選のスウェーデン戦、2022年大会予選の北マケドニア戦に続いてのことである。

 1日のガゼッタ・デロ・スポルト紙は1面を飾った社説で、今回の敗退を「3度目の黙示録」と表現し、「もはやショックや予期せぬ大惨事といった感覚はない。これが常態になりつつある」と指摘した。

 イタリアサッカー界が抱える問題は、代表チームにとどまらない。

 イタリアのクラブが最後にチャンピオンズリーグを制したのは2010年のインテル・ミラノであり、今シーズンの欧州チャンピオンズリーグでも、イタリアの4クラブすべてが準々決勝を前に姿を消している。

 3月31日にローマのパブでイタリアの敗戦を見届けた、ハイテク系スタートアップ企業で働く34歳のイタリア人、サルバトーレ・コルソ氏は、「まるで大一番に向けた準備ができていないかのようだ。重要な局面や、ここ一番の力が必要な時、プレッシャーがかかっている時に、踏ん張りがきかないんだ」と語った。

 アンドレア・アボディ・スポーツ担当相は、イタリアサッカー連盟(FIGC)のガブリエレ・グラヴィーナ会長に辞任を求めた。

 「イタリアサッカーに抜本的な見直しが必要なのは誰の目にも明らかだ」とアボディ氏は述べ、「そして、そのプロセスはFIGCの新たなリーダーシップの下で始められなければならない」とした。

 元イタリア首相のマッテオ・レンツィ氏は次のように付け加えた。「残念ながら、ワールドカップ予選の3大会連続敗退はエイプリルフールのジョークではない。イタリアサッカーが破綻していることの表れだ。我が国においてサッカーは単なる娯楽ではなく、文化であり国家的アイデンティティの一部なのだ」

◆ないがしろにされる代表チーム
 4年に1度訪れる失敗の狭間で、代表チームは置き去りにされている。

 歴代のイタリア代表監督たちは、FIFAが定めた国際Aマッチウィーク以外にも代表合宿の期間を設けるよう働きかけてきたが、いずれも実を結んでいない。

 放映権を持つテレビ局からの圧力もあり、セリエAは代表選手に十分な休養を与えるための日程調整を一貫して拒否している。今回も、多くのアズーリの選手が出場したフィオレンティーナ対インテル・ミラノの試合が、3月30日に始まる合宿のわずか数時間前である29日の夜に行われたことが、その実態を物語っている。

◆イタリア代表の仕事を望まない名将たち
 失敗が積み重なる中、イタリアの名将たちは代表チームの指揮を執ることを避けているようだ。

 ロベルト・マンチーニ氏は、2024年の欧州選手権を前にアズーリの指揮官を辞任し、サウジアラビア代表の監督に就任した。

 2017年のスウェーデン戦敗北時に指揮を執っていたジャン・ピエロ・ヴェントゥーラ氏には、主要クラブを率いた経験がなかった。

 昨年、予選初戦のノルウェー戦に敗れてルチアーノ・スパレッティ氏が解任された際、クラウディオ・ラニエリ氏は後任の打診を固辞し、代わりに経験の浅いジェンナーロ・ガットゥーゾ氏が招聘された。

 グラヴィーナ会長は、2022年大会の予選敗退による辞任論を乗り越えた後も、依然としてその座にとどまっている。

 「来週、我々はこの状況についてより深く熟考するつもりだ」とグラヴィーナ会長は語り、国内サッカー界のトップを決める新たな選挙の実施を求める可能性をほのめかした。「検討すべき事項は山ほどある」

By ANDREW DAMPF AP Sports Writer

Text by AP