「ほぼ完璧」「原点の決定版」ドラクエ1&2リメイク、海外絶賛 フォーブス満点、WCCFテック9.0

株式会社スクウェア・エニックス

 スクウェア・エニックスが10月30日に発売した『ドラゴンクエストI&II HD-2Dリメイク』について、海外メディアが相次いでレビューを公開した。本作はロトの伝説をめぐる三部作の完結編だ。物語の拡充とビジュアルの刷新で高く評価されている。

◆より深くなったストーリーに10点満点の評価
 イギリス人ゲームデザイナーで日本在住のオリー・バーダー氏は、米フォーブス誌への寄稿で、10点満点のスコアをつけた。氏は「2作品の物語はしっかりと肉付けされ、これまでにないほど筋の通ったものになっている」と評価している。これまでもリメイク版がリリースされてきたが、どのバージョンでも物語のペース配分や伏線の回収が不十分など課題が見られた。今回のリメイクではその点が大きく改善されている、とバーダー氏は見る。

 テクノロジー系メディアのWCCFテックもまた、ストーリー面での改善を称賛している。特に『II』について「間違いなく三部作の物語の集大成になっており、『ドラクエ』シリーズの現行作に匹敵する体験をもたらしてくれる」と述べ、古さをまったく感じさせないと高く評価した。同メディアは、オリジナル版では簡素にとどまっていた物語イベントが大幅に拡充されたほか、パーティメンバーの性格描写も深まったとコメント。スコアは10点満点で9.0。必要な箇所を拡張しつつ原作の魅力を損なわない点を評価して「JRPGの最初期を体験する決定版」と総括した。

◆操作性は向上したが、難易度調整に課題も
 ゲームプレイ面では、利便性の向上に加え、難易度も調整された。米スクリーン・ラントは、オートセーブ機能が追加されたほか、設定で難易度を選択できる仕様になったことで、初心者でもプレイしやすくなったと歓迎している。戦闘が終わるたびに自動で保存されるため、パーティが全滅してもゲーム進行のやり直しが最小限になった。

 一方で、WCCFテックは『I』で難易度のバランスに課題があると報じた。今作では主人公1人で複数の敵と戦う仕様に変更されたが「一部の敵が1ターンに2回行動するため、単独での戦闘が厳しくなる場面がある」と述べている。ただし、最も易しい難易度では無敵モードが存在し、一定の救済措置が用意されている。

◆英声優と新キャラクターは「ほぼ完璧」
 ビジュアル面では両作品とも、ドット絵キャラと3DCGの背景を組み合わせる「HD-2Dスタイル」を採用した。フォーブスは音声面の改善にも注目し、イギリス人声優による演技を「素晴らしい」と評価。「コックニー訛りの人魚を考案した人物は昇給に値する」とのコメント通り、キャラクターの個性も海外版で再現されている。

 スクリーン・ラントは、『II』で新たにプレイアブルキャラクターとなったカノックの王女マチルダを歓迎。彼女は盗賊と武闘家の能力を併せ持った存在として活躍する。同メディアは本作を「ほぼ完璧」と総括し、新規プレイヤーであればぜひ過去のバージョンよりも今作をプレイすべきだと推奨している。

 現代でも古さを感じさせないタイトルとしてよみがえり、海外でも評判を呼んでいる。

Text by 青葉やまと